精神魔法はチートだった
「右手上げて」
「はい」
「左手上げて」
「はい」
本当に魔法が成功しているようだ。
今のところ反動も無い。
さて、どこまでなら命令出来るのだろうか。
「自分の左腕を切り落としてみて」
「...はい」
そういうと、ためらいを見せながらも剣で自分の腕を切り落とした。しかし、どうも痛みはないようだ。出血もしていない。
「痛くないのか?」
「はい。この体は神体ですので痛みや出血などはありません」
そうか、ならばハードルは少し低かったか。生身の人間には出来ないかもしれないな。
「どんなことでも命じることが出来るのか?」
「出来ます」
「なぜ断言出来るんだ?」
「精神魔法は相手に触れた瞬間、その者の魂を一旦破壊し、使用者の思い通りになるよう再構築する魔法です。なのでベースは元のままとはいえ、命令には絶対に従うようになります」
「ならお前にはもう元の魂は無いのか」
「はい」
魂を破壊するのか。禁忌魔法って感じがしていいな。ただ操るだけじゃ無いところがいい。
「魔法を使用するのに魔力を使ったりはしないのか?すごい量を使いそうなのに何の感覚もなかったんだが」
「魂の破壊、再構築は魔法があればそう難しいことではありません。それに相手の魔力を使って発動するので、自分の分は減りません」
なら際限なく使用可能ってことか。
やっぱりチートだな、これ。