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ep.0~一人の少年~(1)

初投稿です。

温かく見てくださいm(._.)m


※ちなみに本編とはあまり関係ないです(笑)


    世界は残酷だ




 誰かの助けを求める声が都合よく届くことなんてない。



 助けが来るときはもう終わったあとの事だ。



 そう、俺が助けを求めたときはもう手遅れで、誰も助けには来てくれなかった。






      ◆◇◇◆…◆◇◇◆      ◆◇◇◆…◆◇◇◆




 薄暗い森の中を走り続けてかなり時間がたったはず。僕の体力もそろそろ限界だし、相手も痺れを切らして何か仕出かしてきても可笑しくない。

僕なら距離を一気に縮めて一瞬で片つけると思う。あっちはどうだかわかんないけど……。


 今いる森は僕ら人間が走って移動するにはとても不憫なとこで、他の生き物も例外じゃない。昼夜問わず暗く、よく雨が降るせいでここら辺は特に地面が湿っていて全力で走ったら転ぶ様なとこだ。そして今から僕が向かう場所は更に地面が濡れている沼の方へ向かおうとしているのだから、相手は僕の意図に気づいて不利な方へ行かないようすぐに仕留めたいだろう。


「ガアアァァァ!!」


 ……ほら来た、思った通り。

すぐに後ろを振り向けば黒い獣が白い牙を此方に向いて殺意が丸出しだ。こんなの僕にかかればすぐにきづくことができる。


「ほっと。よっ」


右にずれて黒い獣をスレスレで避けたあと左手を獣の後ろ足に伸ばし思いっ切り引っ張りあげるとバランスを崩した獣は滑って腹を地べたに打ち付けた。そこを頭を狙って殴りかかろうとした時、獣は咄嗟に前足で泥を撥ね飛ばして来て、僕の視界は塞がれてしまった。


普通の獣ならぬかるんだ地面に気をとられて足掻くだけで隙だらけなんだがこの(・・)黒い獣は他と違う。

 泥を手で撥ね飛ばした一瞬の隙に獣は体制を建て直しバックして僕から距離をとった。


「……グゥ」

「……やるなぁ。けど、」


僕もすぐに決着は着けることは出来ないとわかっていたし、目的地は沼じゃない(・・・・・)


「今回は僕の勝ちかな?」


僕は屈んで地面に片手を突っ込むと体から腕に魔力を流し込む。すると地面は黄色い光を出し、ぱちぱちと光を出し始め獣へ向けて襲い掛かる。


が、案の定獣は上空へ跳び跳ねて避けるが、これも計算の内だ。


「チェックメイト!」


獣へと向かったが通り過ぎた光は奥の樹に当たると激しく音を立てて根本から割れ、上から獣を潰すかのようにゆっくりと落ち始める。


……そう、これが僕の狙いで空にいる獣を倒す計画だ。


単純な計画だけどこれで倒すことができなくても少しは足止めして止めをさすことができるし、ダメならもう一回樹にさっきの光を飛ばして爆発させれば破片が何かしら有効打を与えられるはずだ……。


けど、その考えはすぐに打ち崩された。


獣は上を見ることなく体を捻ったと思ったら倒れてくる樹を走り上から僕めがけて突っ込んできた。


「へ?」


「ガアアァァ!」


その光景に呆けている内に獣は僕を押し倒すと、僕の喉元へ白い牙を覗かせる。


……参ったな。これを利用されるなんて思ってなかった。


今の僕には刃物は持っていないし、さっきの技を使うにも獣が襲う方が早いから僕の敗けだ。



「ガァ!」



















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