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恋のつくりかた  作者: 蘭丸
3/3

部員探し

恋を知る恋愛クラブを作るには、部員を集めなくてはならない。


「ねぇ雪ちゃん、私と一緒に部員を探してくれる、あと3人探さないと

?」

「じゃあ、どういう子が、恋愛クラブに向いているのかな」


雪ちゃんは中1から同じクラスで、可愛い子の部類に入る子である。

雪ちゃんも私と同じで恋人がいないと言っていた。

でもそれは嘘だと私は知っていた。いつか休み時間の廊下で、楽しく男

の子の名前を呼びながら笑って電話をしていたのを見てしまったのである。

一応学校内ではスマホや携帯電話は持ち込み禁止なのだが、雪ちゃんはこっそりスマホを持ってきていたのである。

しかし彼女は私が困っているのを見かねてクラブに一緒に入ってくれて

いるのである。本人には言わないほうがいいと思うので、感謝だけして

おく。


「雪ちゃん、真面目に恋愛したい子がいいかな」

「真面目ねぇ、恋をしていない程真面目であれば優等生かな」


「じゃあ、隣のクラスにいる学年成績トップの江良利さんとか、どう?」

「いいねぇ」


江良利えらりクイン、大きな目が特徴的でまつげが長くて化粧をし

ているのかというぐらい。クォーターの黒髪であって物静かでいつも休み時間になると何か本を読んでいる。ちょっと近寄りがたい人ではあるかな」

「雪ちゃん、私が話掛けてみるよ」


昼休み時間に本を読んでいる江良利さんを、レンは少し離れて横から観察してみた。

次の日にレンは本を持って江良利さんに近づき、そっと横か声を掛けた。


「ねぇクインさん、はじめまして」

「あら、どうも」


本を読んでいる目を離さずに、江良利は応えた。


「隣のクラスの阿笠です、いつも本読んでますね」

「ええっ、時間が勿体ないですから」


何か勝気そうな感じがして、抵抗している感じがするとレンは感じた。


「私も本読んでますが、ジャンルはどんなの読んでますか?」

「ミステリーよ」

ちらとレンが胸に抱えている本を江良利は鋭い視線で眺めた。昨日に江良利さんが何の本を読んでいるのか調査して同じような本を買ってきておいたのであった。

チラッと江良利の目線がレンの手に持っている本を見た気がした。


「今度私、読書クラブを作ろうと思っているの?

出来れば一緒に入ってもらえないかな?」


少し間があいた後、「それなら、いいわよ」と目を本から離さずに応え

た。


「わぁ~ありがと。でも読書クラブじゃ人は集まるかどうか分からないから、皆の興味ある事から始めようと思うの。よくドラマで恋愛ミステリーとかあるでしょ。恋の駆け引きもミステリーだし、そういう事から始めようと思っているの。じゃ、また詳しい事決まったら連絡するね」

「ええっ」


ちょっと無理だと思って勧誘をしたが、3人目ゲット。これであと2人か。


雪ちゃんはおでこに手を置いて、少し考えて答えた。

「じゃあ本の次はゲームで捨井さんて子、2次元の恋愛ゲームをよく知る子

だから役に立つよね」

「そんな子いるんだね」


次の日恋愛ゲームをよく知る同じクラスの捨井さんにアタックしてみた。


「捨井さ~ん、ちょっと聞いていい?」


捨井は明るくて話しやすい、背が低くて眼鏡をかけていて知的タイプそうだがアニ

メや漫画にも精通しているようだと雪ちゃんは聞いた。少しは話した事のある子、その時に

は何かゲームの話していたので聞いてみただけだった。


「恋愛するクラブって面白そう、入れて入れて」

「ありがとう、何か決まったら連絡するね」


すごい好意的な捨井さんだったな、恋愛に対して意識レベル高い。

さすが恋愛ゲームばかりしているだけはあるとレンは感じた。

これであと1人。


このあと1人がなかなか声を掛けても見つからなかった。

それで非常手段を使う事にした。学校中の情報を知る新聞部にこっそり

と聞いてみた。裏では何でも情報を流してくれると言うのだ、見返りは

いるのだが。


屋上で裏新聞部の人と待ち合わせた。裏新聞部とは、新聞部の情報屋の事である。こちらの話す時間は10秒だと聞かされた。十分だ。足音が聞こえたので、声を掛けた。


「クラブを作るのに、一人だけ人がいるの」

「了解」との声だけが聞こえた、姿は見えない。


裏新聞部の女性部員はすぐに立ち去った。これで何か収穫があれば連絡

があるはずだ。そのあと部員署名の紙だけが届いた。


お姉ちゃん大丈夫かな、まだ返事のメールは来ない。

親がお姉ちゃんと話したと言うが、まだ私には何も聞かされていない。

話せない話という事か、男女の仲は難しい。そう言われているようだ。

その真実を見つけるべく、私は恋を探っていくのだ。


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