アクユウ
そう呟いて 目覚ましのスイッチを止めて
僕は 布団から起き上がった
ちょっと早いけど 準備でもするか
僕は店に出てノンビリと開店の準備を始めた
店を開けて モーニングの時間帯を乗り越え
僕は一息吐いていた
「ふ〜」 そろそろ彼女が来る時間だな
そう思った時 店のドアが開いた
来た!そう思い僕は店の入り口に目をやると
そこには 高校からの悪友 笠田 太樹が右手を
高らかに上げ 笑顔で入って来た
「よ〜来たぜ〜」
「なんだ 太樹かよ」そう言って肩を落とした
「なんだとは酷いな!」
そう言った太樹の後ろから 見覚えある女の子
が 顔を出した
「こ こんにちは」
「あれ?君は確か・・・」
「阿部和美です 久しぶりです」
あ〜そう言えば 太樹が一度連れて来たっけ
そして大演説に 救われたんだったな
阿部さんに軽く会釈をして 太樹に話し掛けた
「平日なのに会社はどうしたんだ?」
「ああ 創立記念とかで休みなんだよ」
「ほぅ そうか そう言う事か成る程ね」
「なんだよ なに一人で納得してるんだよ」
「別に〜 で注文は決まったのか〜?」
「俺はホットで阿部さんは決まった?」
「私はレモンティーでお願いします」
「はいよ〜」そして作り始めた時だった
入り口が開き 彼女が入って来たのです
来た!彼女の姿を見て鼓動は高鳴った
「い いらっしゃいませ」僕が言うと
「昨日は有難う御座います」
そう言って彼女は何時もの窓際の席に座った
その様子をみて太樹が小声で言った
「何だなんださっきの妙な雰囲気は」
「妙って何だよ はいよお待たせ」そう言って
ホットとレモンティーをカウンターに置いた
そしてミルクティーの準備をしようとすると
「あれ?注文聞きに行かないのか?」
太樹が不思議そうに聞いてきた
「いいんだよ 決まってるから」
「ふ〜ん決まってるのか〜 成る程ねぇ〜」
ぐっ こいつめ さっきの仕返しのつもりだな
僕は何も言い返せず準備を始めた
そしてミルクティーの準備が出来た時だった
阿部さんが彼女を見ながら言った
「ねぇ彼女何時も1人で空を眺めてるの?」
「あ ああ 何時も1人だね」
「1人は 寂しいよ・・・ね」
阿部さんの言葉が胸に刺さった
その時何故か 今朝の夢を 思い出していた
僕は 彼女の事をまだ何も知らないんだ・・・
そう 何も 知らないんだと