カクゴ
すると 暫くして 口を開いた
「私の役目は魂を天界へと導く それだけよ」
「ええ 分ってます」
僕はそう言って 静かに目を閉じた・・・
「それじゃあ 逝きましょうか」
その言葉に僕はコクリと頷いた
そして後を ついて逝こうとした時
病室から白木さんの 細くて悲しい泣き声が
聞こえてきた・・・
やがて その泣き声は太樹達にも 移っていた
白木さんの 泣きながら僕の体を掴む姿に
胸が痛んだ まるで逝かないで戻って来てと
言ってる様に 思えたからだ
それを見た僕は 逝こうとした体が
動かせなくなった・・・
「白木さん 皆 ゴメン 先に逝くから」
僕は力無く呟いた
「これが貴方の望んだ結果なのよ」
「僕の為に 皆があんなに涙を流してくれる
なんて 思いもしませんでした」
そして僕の目から涙が再び零れ落ちた・・・
「さようなら 白木さん 太樹 阿部さん」
そう呟き僕は今度こそ 逝こうとした
すると三人が突然顔を上げると お互いを見て
「二人も聞こえた?」太樹がそう言うと
二人は深く頷くと 白木さんが口を開いた
「東條さんの声だった様に思った」
「私もそう思うわ」阿部さんも同意した
その光景に僕は驚いた
「僕の声が 聞こえたんですかね?」
「全く人間には・・・と言うより 貴方達には
驚かされるわ」小声でボソッと言った
「え?何ですか?」
「いや何でも無いわ 魂の声が聞こえるなんて
あり得ないんだけどね 普通なら」
「そうですよね」ザワザワしている三人を
見下ろしながら 逝きたくないと そう思った
「まぁ それだけあの三人が貴方に戻って来て
欲しい それと貴方も戻りたいって そう
思ってるから 聞こえたのかもね」
僕はそれを聞き何も言えなかった
「本当は 戻りたいんでしょ?」
その言葉に僕の体がビクッと反応した
戻りたい!皆の所に白木さんの傍に居たい!
本当は そう叫びたかった
「いえ 約束ですから もう逝きましょう」
僕はそう言って覚悟を決めたのでした




