ツカワレシモノ
一体どうなってるんだ 確かに声が頭に響いた
でもどうして?白木さんは 眠ったままなのに
その時 "こっちに来て”と言う声が頭に響くと
同時に 僕は気を失ったのでした
白い壁に囲まれた部屋で目が覚めた時
直感的に “ こっち側 ” だろうと そう思った
その部屋は 何も無く 周りの壁が眩しい程の
白さで 目が痛い程だった
そして白さに目が慣れた頃 部屋中に女性の
声が 響き渡った
「君はどうして 私の声が聞こえるの?」
「え? 他の人には 聞こえないんですか?」
「そうね 普通は聞こえないわね」
「貴女は一体誰ですか?」
「私は 天界から使われし者 名前等ないわ」
何か 危なそうな人だな・・・大丈夫かな?
「それで 何故僕をここに?」
「何を言ってるの?私は何もしていない 君の
意思が 君をここに連れて来たのよ」
ダメだ 言ってる事が 理解出来ない
「貴女はどうしてここに居るんですか?」
「この子の 魂を迎えに来たのよ」
「え?魂を?」
「そうよ もうこの子の魂からは 生気が無く
なり始めている だから もう直ぐこの子は」
「ちょっと さっきから何を言ってるんですか
魂を迎えに来たって」
「言ったでしょ 天界から使われし者だって」
その声が響くと同時に 姿を現した
真っ白な衣を羽織り 髪は綺麗な銀色で 腰迄
届く程長く 背中から生えた真っ白な翼を上下
に動かしながら 部屋の上空を飛んでいた
その姿に僕は驚いて ヘナヘナと座り込んだ
まるで 天使じゃないか・・・
「分ったでしょ 私は魂を迎えに来たの」
「待って 待って下さい!」
「さっきも言ったけど もうこの子の魂からは
生気が無くなり始めてるの」
「生気を補充とか出来ないんですか?」
「君ねぇ 補充って・・・」
「お願いします 助けて下さい!」
おでこを床に擦りつけて 土下座をした
「お願いします」
頭を下げたまま 何度も何度も懇願した
沈黙が続き 暫くして諦めた様に口を開いた
「まぁ 私なら可能だけど生気の元となる人間
が必要になるわね」
「じゃあ 僕を使って下さい!」
「でも君ね 生気無くなると死ぬわよ?それで
本当にいいの?今ならまだ」
「いいですよ お願いします」
すると肩を竦めて 息を吐き口を開いた
「分ったわ 先ず魂の破損を治すから
また明日来て頂戴」
「分りました それでどうやって戻れば?」
「考えが変わったとしても 君を責める人は誰
も居ないから」
その言葉を聞き終えると同時に 目が覚めた
そして眠っている白木さんの寝顔を見ながら
もう少しの我慢だから 必ず 僕が助けるから
そうココロで呟いたのでした




