リユウ
何か言わなきゃいけない そう思ったが
言葉が何も思い浮かばない・・・
ただ ただ 見つめる事しか出来なかった
その時白木さんが 口を開いた
その言葉に僕達は 愕然としたのでした
「私の事は忘れて下さいって 手紙に書いた筈
ですけど」冷たい口調で そう言い放ったのだ
「い いや そうだけど・・・」
「帰って下さい そしてもう来ないで下さい」
それを聞いた阿部さんが一歩踏み出して
「本当にそれでいいの?それが本心なの?」
すると白木さんは 俯き 布団を握りしめると
顔を上げ 今にも泣き出しそうな顔で
「私は誰とも関わっちゃいけなかったの」
その白木さんの表情に 流石の阿部さんも
驚きを隠せない様子だった
「ど どうしたの? な 何を言ってるの?」
「だって私はもう」そう言いかけた白木
さんの瞳からは 涙がボロボロと溢れ落ちた
零れ落ちる大粒の涙を見て 僕は大体の察しが
ついた それは太樹と阿部さんも同じだった
泣いている白木さんの姿に胸が痛み 僕は思
わず 白木さんの両手を握りしめていた
「ごめんよ どうしても傍に居たくて 白木さ
んの気持ちも考えずに 勝手に来たりして
本当にごめんよ」
すると白木さんは寂しそうに笑ながら
「ううん 本当は皆が来てくれて 嬉しかった
でも 素直に喜べなかった理由はね・・・」
「喜べなかった理由?」僕がそう言った時
今迄ずっと黙っていた父親が割り込み
「麻耶!」眉をしかめ 名前を叫んだ
すると白木さんは 深く頷いて
「父さん私は大丈夫だから」
そう言うと 一息吐いて 話し始めたのでした




