テガミ
「白木さんとは 会えますか?」
「その手紙を読んで 君が決めるといい」
「はい 分りました」
そう言うと 僕は手紙を広げたのでした
東條さんへ
私を好きだと言ってくれて 有難うございます
でも私は その想いに応える事が出来そうも
ありません
だからどうか 私の事は忘れて下さい
それと 阿部さんに友達になってくれて有難う
そうお伝え下さい
それじゃあ さようなら 幸せになって下さい
手紙を読み終えた僕は 頭を抱えた
こ こんな内容なら 読みたくなかった
こんな手紙なんか・・・
すると阿部さんが僕を気遣い口を開いた
「手紙に書いた事が真実とは 限らないわよ」
「そうだけど」頭を抱えたまま答えた
すると阿部さんが 急に立ち上がりカウンター
をバ〜ン!と音がする程叩いて叫んだ
「東條さんがしっかりしないでどうするの!
今苦しいのは 辛いのは誰だと思ってるの!」
その言葉にハッと我に返った
「そして白木さんが 今一番必要としてるのは
誰なのか 少し考えれば分るわよね」
僕を見下ろして そう言い放った
「そうだよな 有難う阿部さん!」
そう言って僕が立ち上がると父親が言った
「阿部さんの言う事も 東條さんの気持ちも
分りました その上で敢えて言います 」
「やっぱり娘の事は忘れた方がいい」
えぇぇ 敢えて言うのか! そう思った・・・
「すいません だけど白木さんの事を 忘れる
なんて 僕にはムリです」
僕は拳を握り締めて じっと父親を見た
すると大きく息を吐くと 肩を竦めて言った
「何を言っても無駄みたいだね 今から病院に
戻るが 一緒に来るかね?」
「はい 勿論行きます!」
そして店を閉めると 僕達は父親と共に
白木さんの病院へと向かったのでした




