コレナイ リユウ
すると涙を拭いながら 白木さんが言った
「東條さんと出会えて本当によかったです」
「俺も・・・です・・・」
そう言って僕は 俯いたのでした
それから 白木さんを家の近くまで送った
「じゃあ また お店で待ってますね」
「はい また」
そう言って微笑み 帰って行く 白木さんの
後ろ姿を僕はずっと ずっと 見ていた
この時 僕は何となく思った
白木さんは もう店に来ないんじゃないかと
そしてそれは 現実のものとなった
あの日から 白木さんが店に来なくなり一ヶ月
の月日が流れていた
これが 白木さんの答えだと思った
僕は徐々に 白木さんの居ない毎日を
受け入れ始めていた
そして店を閉めようと 表に出ると太樹達が
立っていた
「久しぶりだな」僕が言うと
「ちょっと話があるんだ 入っていいか?」
太樹が深刻そうな顔をして言ったのです
「あ ああ」
店に入り椅子に座ると 早速阿部さんが言った
「白木さんずっと店に来てないみたいだけど
それで いいの?」
「白木さんの携帯も繋がらないみたいだし
それに店に来ないのが 答えなんじゃない?」
「それで諦めるの?もし店に来れない理由が
あったとしたら どうするの?」
その言葉を聞いて 僕はハッとした
「阿部さん 何か知ってるの?」
「あ いや・・・」
「何か知ってるなら 教えて!」
そして 店は沈黙に包まれたのでした




