コクハク
「東條さんは 楽しかったですか?」
「勿論楽しかったです!」
僕が言うと 白木さんは微笑みながら
「じゃあ 私もよかった〜」
そして僕達は顔を見合わせて 笑ったのでした
ショッピングモールからの帰り道 白木さんの
足取りが重い様な気がして 声をかけてみた
「そこの公園で 少し休みませんか?」
「いえ いえ 私なら大丈夫ですから」
気丈に答えたが 白木さんの様子が気になった
僕は 引き下がらなかった
「あ 俺が疲れたので 時間が大丈夫なら 少し
休んでもいいですか?」
「今日は気を遣わせてばかりで すいません」
そう言うと 白木さんは 俯いた
「何言ってるんですか そんな事無いですよ」
「すいません」白木さんは顔を上げて呟いた
申し訳なさそうに言った 白木さんの表情に
胸が痛んだのに 僕は言葉が見つからなかった
そして僕達は外灯が点き始めた公園に入ると
夕飯時と言うのもあり 母親に手を取られて
帰る子供達の姿がチラホラ見えた
僕達はその光景を見ながら 公園のベンチで
休憩していた
すると暫くして白木さんが口を開いた
「今日は本当に有難う 楽しかったわ」
その微笑みに 胸の鼓動はドクンと波打った
人の居ない夕暮れの公園のベンチで2人きり
ドクドクと早まっていく胸の鼓動
そして僕は とんでもない事を口走っていた
「し 白木さんが好きです! 僕と付き合って
下さい!」
そう叫んだ僕を白木さんは 目を丸くして
ただ 呆然と見ていた




