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マドギワノキミ
「ジリリリ〜」目覚ましの音と共に僕の朝は
今日も始まる 布団から手を伸ばし目覚ましを
止め 大きくアクビをして 上半身を起こした
「さて 店に行くか」とは言っても六畳程の店
の倉庫を片付けて 寝床にしているので この
扉を開けると 店な訳なのです・・・
店舗の家賃を払い 家の家賃まで払える訳ない
そう思った結果 店の倉庫に住む事にしたのだ
シンクで顔を洗い歯を磨いて 髪を整えて開店
の準備を始めた
料理の下準備を終わらせて 看板を出して一日
が始まる さぁ喫茶店 隠れ処今日も宜しく〜
ココロでそう叫ぶのが 僕の日課になっていた
後はお客様のご来店を待つだけだった
そしてモーニングの時間帯になると会社員の
常連さん達で カウンターは あっという間に
満席になった 一人でやっている為 息つく間
も無く 時間は過ぎていった
モーニングも終り 一息吐いた時 扉が開いて
窓際の君が来た ミルクティーを注文して窓際
の席に座り 何時もボ〜ッと 空を眺めるのだ
でも今日は 何時もと少し様子が 違っていた
ミルクティーを 一口も飲まないで ただ空を
ボンヤリと眺めていたのです