天職と能力測定
少し小走りを続けるうちにメインルームに近づくにつれてがやがやと話声が聞こえてくる。
メインルームに着くと、おおよそ270人前後の能力者がズラリと整列しており、
上にはやや大きめなモニターがついており下に教卓のような机がある、そこには細目の身長はやや小さめな男が球体のようなものを持ち立っていた。
1人だけ前に立っているということは教師?
あいつがミヤサカか?ミヤサカの顔を見た事すらない俺には見分けがつかなかった。
俺もすかさず列に入り測定開始を待っていると、
何やら周りからの視線が俺に対して異常に多いことに気づく。
だが、その視線の理由は大体検討がつく。
恐らく俺が最年少の白の能力者であり小柄ゆえに周りに注目されているに違いない。
しばらく時間が経ち、全員が集まったのか教卓に立つ球体を持った男が話し始める。
「えー、どうも初めまして。まずは軽い自己紹介からさせてもらうな。
僕の名前は【ニシノ】言います。
ほいで、今日はミヤサカさんは戦場に出ているため不在。故に僕が代役を務めさせてもらう。
今後はいわゆる僕たち創設組といったメンバー僕含む4人で君たち300人の教師やらせてもらうことなってるからよろしく〜。
あと、ミヤサカさん不在の時は僕が副管理役として稽古場に雇われてもいるのなのでよろしく。。
今日は皆知っているだろうがこの僕が手に持つ球体で能力を測定してもらう。
測定をする理由と致しましては
個々の能力値や現在の力を数値化し可視化することで白の育成そしてメンバーの厳選に役立てるためや。」
と関西弁なまりな口調で俺らに話した。
(ニシノ)
「この球体について簡単に説明させてもらうと、ミヤサカさんが自身の白により作り出した能力や個々のステータスを数値化し、天職を教えてくれる道具や。」
と話した途端周囲が驚きで騒然とし始めた。
それはそうだ。
俺らの中でのミヤサカという人物に対する共通認識は戦場で圧倒的な戦果をあげる程のゴリゴリの
“戦闘タイプ”
しかしミヤサカが超高性能な球体を自身の白によりイメージから実態のあるものへと具現化に成功させ今俺達の前に姿を表している。
ミヤサカは戦闘も具現化もいける、1つだけではなく2つの能力に長けている超天才だということだ。
とミヤサカのポテンシャルに愕然としていると1人の能力者がニシノに質問を投げかける。
「天職というのはどういうものなのでしょうか!」
それに対してニシノはこう答えた。
(ニシノ)
「あ、そうか地域によっては知らへんやつもおんのや。
失敬失敬、天職とはどういうものか教えたる。
僕ら能力者はある程度白の扱いにある程度慣れると自分の長けている能力の使い方。
言い換えて“天職”と呼ばれるものが着くようになっとる。
例えば僕の天職は“身体強化”や。体内で練った白を身にまとわせて近接戦闘に活かしたり防御力をあげるといったものが得意や。他にもたくさんあって例えば具現化系 放出系 付与系 ヒーラーやったりと正直種類は死ぬほど多く存在していて、同じ身体強化でも使用者によっては形が違うため全くの別物もの。
つまり能力者の数だけ能力の種類は存在していると思ってくれていい。
ただ球体で測定できるんは大まかな種類分けしかせーへんようになっとる。
せやから細かなところまでは自分で使いながら気づいていくしかないな。
せや、あとな天職は基本的には一人1つまでしかつかへんらしいねん。
超まれに全体の3%くらいの能力者はミヤサカさんのように天職が2つ着くことも。あるらしい
天職については以上や。ここまでで質問あるやつおるか?」
と中々分かりやすい解説がされた。
つまりはミヤサカは2つの天職をあわせ持ついわば天職の”二丁持ち”ということになる。
知れば知るほど果てしない人物だな。と考え込んでいるとニシノが続きを話し始める。
(ニシノ)
「そして次は能力値の話や。能力値は己の強さををまんま数字にしたしたものや。
同時に稽古場では己の価値を数値化したものと思ってもらってええ。
それくらい稽古場じゃ数値と強さが全てや。
数値は白が体に馴染めば馴染むほど上がるものと思ってくれてOKや。
だが逆も然り、訓練の質が悪かったり自分の天職にそぐわぬ扱い方をすればその分数値も下がったりする。
戦力外と判断され檻付きになりたくないならそこだけ注意してほしいとこやね。
それでは早速使い方を教える。
今から僕がお手本を見せるのでまんま真似してくれるだけでOKや。」
というとニシノは手にもつ能力測定球を机に置き、
右腕を球体に突き出し手のひらに白を集中させ微量な白き炎を球体に当てると炎が球体に吸いこまれた。
すると、ニシノの後方にある大きめなモニターに能力数値と天職が大きく書き記された。
そこには【数値 “600” 天職 “身体強化” 】と記されていた。
天職に関してはニシノの説明にも先程“身体強化” が得意と言っていたので球体は正確なものなのだろう。
だが数値に関してはニシノ以外の数値を見たことの無い俺らにとっては、600という数字は大きい物なのか小さいものなのかも 分からずその数字に対して驚くべきなのか否か反応に困っていた。
するとニシノは説明を続けた。
(ニシノ)
「基本的な話に戻るけど稽古場では2ヶ月に1回定期測定が行われる予定や。
基本的には能力数値によって部隊分けして訓練をしてもらい強くなってもらう。
そのためにクラス分けシステムも導入してある。
数値に沿ってランクが振分けられるようになっとる。その定義付けを今から教える。それがあれや。」
とニシノが壁に貼ってあるランク表のようなものに視線を移す。
そこには分かりやすくこう書いてあった。
【ランク定義表】
Cランク 1~100
Bランク 101~300
Aランク 301~500
Sランク 501~↑
するとニシノが加えて説明を始める。
「見てもらったらわかると思うけど、
能力値には上限がない。故にSランクには上限定義をしとらんし、Sより上のランクを作るつもりもない。
基本はこのランクでクラス分けをし、ランクごとに別れて身の丈にあった訓練をしてもらう。
これは飽くまで予想に過ぎないんやけど、
僕の見立てだと、300人中Sランクは1人、多くて2人や。
Aランクは50 Bランクが大半の200人を占め残りがCだったりするんじゃないかなー?思う。
ほんで天職がでるやつは10人いたらええほうやな。」
と話すとニシノの話からも受け取れる通りSランクつまり501以上の数値を稽古場に来た時点で持つものは超レアなケースだと伺える。
それにしてもニシノ、あいつSランクだったのか。。
とニシノや創設組メンバーそしてミヤサカ達の強さを改めて再確認させられた。
(ニシノ)
「そして最終的な目標は1年後の定期測定のとき能力値上位10位メンバーを特殊部隊 白の戦士に入れようと思っている。
ここにいる全員にはそこを最終目標に。つまりランク上げに力を注いでほしいっちゅうわけや。
もちろん選ばれへんかったやつは無差別で戦力外判定なわけではなく、メンバーが欠損した場合の穴埋めや新部隊を作る際なんかに使わせてもらおうと思っとる。
まあ精々檻付きにならへんために戦力外じゃないことを自力で証明して成り上がることやな。
ほな俺はこの後訓練があるんで。この辺で失礼させてもらうわ。
各自で僕がさっきしたように能力測定をしてランクをデータに残せたら部屋戻って各自食堂にて朝食に行きその後は部屋で指示を待つように。」
と説明が終わるとニシノはそそくさとその場から立ち去った。
俺は今一度ランク表を読み返し唾を飲み込む。
数値こそが己の価値。ニシノはそう言っていたが、
白の炎がほとんど出ない俺の価値こそ恐らく下の下。まさしくゴミに近いだろう。
そんなこんなで前列のやつから次々と測定を開始し始めるのだった。。。




