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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

——、メリーさん

作者: 成野淳司
掲載日:2025/09/26

 着信音が鳴る電話に、僕はさっと出る。


「私、メリー。今、音那乃(おとなの)マンションにいるの」


 同じ人物からの、何度目かの電話。

 彼女はそう言って、僕に自分の現在地を告げてくる。

 現在地が変わる度に、何度も、何度も。


「私、メリー。今、個共野(こどもの)公園にいるの」


 彼女は確実に、僕の部屋に近付いてきている。


 ああ。

 電話に出る必要などないのに、出ずにはいられない。

 これが、彼女の魔力だとでもいうのだろうか。


「私、メリー。今、あなたのマンションの前にいるの」


 いよいよ、いよいよなのか。

 僕は、もうすぐ彼女に会うのか。

 会って、それから——。


 ピンポーン!


 部屋のインターホンが鳴る。

 マンションの入り口からのインターホンは鳴らなかった。

 そうか。お前には僕の部屋からの解錠もいらないのだな。


 僕は。

 自ら。

 部屋のドアを開けた。


 妖艶な彼女が、静かに部屋に入ってくる。

 ああ、ああ。

 ついに、この時が来たのか。


「私、メリー。今、あなたの目の前にいるの」


 もう電話は使っていない。

 彼女の肉声だ。

 とても、美しい。


「私、メリー。さっき、あなたの邪魔な女を殺してきたわ」


 その声が、僕の目的が達成されたことを告げる。


 ふふ。


「ありがとう、メリー。また僕のために殺してきておくれよ」


 彼女を優しく抱きしめる。

 彼女から見えなくなった顔では、笑みを浮かべながら。


















「愛しているよ。僕の、メリー」

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