植木鉢
落ちているのではなく
昇れなくなっただけ
ベランダの上で傾いた植木鉢が
重力に従って、投げ出される瞬間をゆっくりと見上げ、まるで私の体が預けられたみたいだった
落下が行われ、しかし、植木鉢は宙で静止する
土も溢れず、葉や花が崩れ落ちることもなく
時間は死んだみたい
沈む夕陽で空に影が斜めに伸びている
絵画的であり、または全く別物にも見える
空虚が鼻を抜けていくようで
不甲斐なく、さもしい自分を観ているようで、嫌な気持ちになった
落ちているのではなく
昇れなくなっただけ
ベランダの上で傾いた植木鉢が
重力に従って、投げ出される瞬間をゆっくりと見上げ、まるで私の体が預けられたみたいだった
落下が行われ、しかし、植木鉢は宙で静止する
土も溢れず、葉や花が崩れ落ちることもなく
時間は死んだみたい
沈む夕陽で空に影が斜めに伸びている
絵画的であり、または全く別物にも見える
空虚が鼻を抜けていくようで
不甲斐なく、さもしい自分を観ているようで、嫌な気持ちになった
特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。