ムレスズメ
ここは寿命を買い取り、売るお店
このお店に導かれるは、死にたいと望む人と生きたいと望む人
そんなお客様に寿命を買い取り、売るのが私の仕事でございます。
今回の来店のお客様は自由を求めているお客様でございます。
ここは寿命を買い取り、売るお店
このお店に導かれるは、死にたいと望む人と生きたいと望む人
そんなお客様に寿命を買い取り、売るのが私の仕事でございます。
箒を手にとって「お客様を迎えるにあたりお店は清潔にしないと」と掃除を始めた。
カランカランと扉についたベルがなる。
持っていた箒を素早く片付けた。
「いらっしゃいませ」
深々と頭を下げていた。
「俺の寿命を買ってください
どうしても寿命を買い取って貰いたいんです!」と男子高校生が勢い良く訪ねてきた。
「かしこまりました。
どれぐらいの寿命をお売りになりますか?」
「全部です!
俺にはもう生きる理由がないから」
「かしこまりました。
それではこちらのソファーにお座りなって契約書にサインをお願いいたします。」
契約書を渡されて名前を書いた。
「はい
サインを書きました。」
「確かにサインをお預かり致しました。
最後の確認ですが、本当に寿命をお売りになりますか?」
「はい!売ります!
俺はお菓子作りが好きで本当はパティシエになれる学校に進学したかったけど、親は俺がパティシエになる事をくだらないと自分達の思い通りにいかないと反対します。だから習い事も学校も部活も全て親のゆう通りにしてきました。これからも親のゆう通りに生きないといけないなら死んだ方がマシです。」
「かしこまりました。
それでは、こちらの液体をお飲みください。」
「これは?」
「寿命を採取する液体でございます。
液体をお飲みになられましたら、少しずつ眠くなってそのまま永眠致します。」
「わかりました。」
小瓶に入った液体を飲み干した。
「それでは、こちらのベットをお使いください。」
ベットに仰向けに寝転び、天井を見つめていると少しずつ眠くなったきた。
「やっと自由になれる...」
と静かにまぶたを閉じる。
「ムレスズメですか」
彼の周りにたくたんのムレスズメが咲き誇っていた。
「確か花言葉は、自由な生き方
次の人生は自由に過ごせるように願います。」
手際よくムレスズメの花を採取して花瓶に生ける。
「18年間の人生、お疲れ様でした。」
と男は眠った男子高校生の前で深くお辞儀をした。
最後までお読みいただきありがとうございます。