ひまわり
ここは寿命を買い取り、売るお店
このお店に導かれるは、死にたいと望む人と生きたいと望む人
そんなお客様に寿命を買い取り、売るのが私の仕事でございます。
ここは寿命を買い取り、売るお店
このお店に導かれるは、死にたいと望む人と生きたいと望む人
そんなお客様に寿命を買い取り、売るのが私の仕事でございます。
カランカランと扉についたベルがなる。
「いらっしゃいませ」
古い洋館に入ると20代ぐらいの喪服を着た男性が深々と頭を下げていた。
「あの...ここって?」
「ここは、寿命を買い取り、売るお店でございます。」
「寿命を買い取り??売る??」
「左様でございます。
死にたい人から寿命を買い取り、生きたい人に寿命を売るお店でございます。」
「そんな事が出来るんですか!?」
「可能でございます。」
「私の寿命を買い取ってください!!」
「かしこましました。
どれぐらいの寿命をお売りになりますか?」
「全部です!」
「かしこましました。
それでは、こちらの契約書にサインをお願いいたします。」
「はい...
書けました。」
「確かにサインをお預かり致しました。
最後の確認ですが、本当に寿命をお売りになりますか?」
「はい
私って本当にドジで仕事も上手く出来なくて、上司に毎日怒鳴られたり、理不尽で怒られたりで家に帰ったって母親から嫌味しか言われないし...
もう、生きるのがしんどいんです。
いっその事死んで、本当に生きたい人に寿命を渡した方が私は誰かの役に立てたと思えて嬉しいです。だから、大丈夫です。」
「かしこまりました。
それでは、こちらの液体をお飲みください。」
「これはなんですか?」
「寿命を採取する液体でございます。
液体をお飲みになられましたら、少しずつ眠くなってそのまま永眠致します。」
「わかりました。」
小瓶に入った液体を飲み干した。
「それでは、こちらのベットをお使いください。」
ベットに仰向けに寝転び、天井を見つめていると少しずつ眠くなったきた。
「次は、上手く生きれたらいいな...」
と静かにまぶたを閉じる。
「ひまわりですか」
彼女の周りにたくたんのひまわりが咲き誇っていた。
「確か花言葉は、幸せと希望
次の人生は幸せと希望に満ち溢れている事を願います。」
手際よくひまわりの花を採取して花瓶に生ける。
「24年間の人生、お疲れ様でした。」
と男は眠った女性の前で深くお辞儀をした。
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