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生忌物倶楽部  作者: 鬼居かます
54/55

53「第三話 獣使い」私たちは蛇の怪物と対峙する。

昨日は投稿が間に合いませんでした。

すみません。


今後は基本【1日置きの昼の12時に投稿】の予定とさせていただきます。



また評価をくださり、ありがとうございます。

励みになります。





 


「ああ、コウモリたちがっ! 大変だっ!」




 きいがそう言うのも無理はなかった。

 コウモリたちが密集し、群れの密度が高まったのだ。




 夜空には多数のコウモリで黒い幕のように広がった塊が意思を持っているかのように蠢き飛び交う。

 そしてその群れたちは一斉に急降下すると大月香奈恵にまとわり付くのであった。




「あっ、ああっ!」




 きいが絶叫した。

 それもそのはずでまとわり付いた黒い幕のような群れは香奈恵を包み、どんどんと体積を増して行く。




 グガアアァァァァーーーッ!!




 すると伸縮を繰り返しながらまとわり付いていたコウモリの群れは一定の形を取るようになった。




 ――それは大蛇。




 身の丈二十メートルはある巨大な黒蛇へとなったのである。

 輪郭が少し揺らいでいる。

 それは小動物が群れて出来上がる生忌物の特徴だ。




「まずいっ! 大月先輩が飲み込まれたっ!」




 寸沢嵐先生が叫ぶ。




「先生っ! どうしましょうか?」




 三ケ木ゆうが尋ねる。

 脇には巨大オランウータンのシナノが臨戦態勢で控えている。




「……戦うしかないだろうな。うまくコウモリを剥がせれば先輩は助けられるだろう」




「わかりましたっ!」




「了解」




 千木良きいも高見澤ヨウコも寸沢嵐先生の考えを受け入れる。




「ムサシ、準備っ!」




 ガウッ、と唸ったムサシは身を低くして臨戦態勢を取る。




「シナノ、準備っ!」




 ウホッ、と吠えたシナノは二足歩行となり両手を頭上に掲げる。




 そんなときだった。

 大蛇に変化が見られたのだ。




 こちらに敵意を剥き出しにし、とぐろを巻き鎌首を持ち上げていた大蛇だったのだが、その首が次々と分裂をし始めたのだ。




「な、なんだっ! 頭が増えたぞ!」




 寸沢嵐先生がそう叫ぶ間も首はどんどん増えていった。




「……ヤマタノオロチ。……いや違うわ。頭が九つあるからヒュドラね……」




 指で頭数を数えていた三ケ木ゆうがそう告げるのであった。




「まさか火を吹いたり、毒を吐いたりするんじゃないだろうな?」




「さすがにそれはないと思いますけど……。どうなんでしょう?」




 寸沢嵐先生の質問をゆうが苦笑交じりに返答する。




「ちょっと攻撃して試してみればいいんじゃないかなっ!」




 きいの言うとおりである。

 威力偵察してみればわかる話だった。



 


よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。


私の別作品

「いらぬ神に祟りなし ~少子化問題解決します~」連載中

「夢見るように夢見たい」連載中


「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み

「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み

「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み

「墓場でdabada」完結済み 

「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み

「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み

「空から来たりて杖を振る」完結済み

「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み

「こころのこりエンドレス」完結済み

「沈黙のシスターとその戒律」完結済み


 も、よろしくお願いいたします。


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