46「第三話 獣使い」私たちは牛舎を鎮圧する。
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すみませんが、よろしくお願いいたします。
――ピィーーーーッ。
甲高い啼き声を上げて天井から大きな鷲が逆落としに急降下してきた。
ヤマトである。
通路には柵を破ったウシたちが押し合いへし合いして外へとつながる道を進もうとしているのだが、その鼻先を鋭い爪で引っ掻いた。
ブモォーーーッ。
先頭のウシが痛みのあまり躓いた。
それに続いていたウシたちがたたらを踏むように踏みとどまる。
そして羽ばたき高度を取ったヤマトは、再び急降下して次のウシの鼻先へと攻撃を加える。
「千木良さん、三ケ木さん、協力を!」
ヨウコがそう叫んだのが合図となった。
「ムサシっ! 行って!」
「シナノ、お願いっ!」
――ッーー……――
きいは犬笛を吹いた。
――テケテン、テケテン、テケテン――
そしてゆうは太鼓を叩く。
するとムサシとシナノが申し合わせたかのように同時にダッシュする。
そしてヤマトに翻弄されている暴れウシたちの群れへと飛び込んだのであった。
ムサシは一頭のウシの背に飛び乗った。
そして上から頸に喰らいつき捩じ上げたことでバランスを崩したウシが、ドウと倒れる。
一方のシナノは真正面からウシに飛びついて頭を捩じ上げて怪力で床へと捻じ倒した。
「スゴイっ! ムサシっ!」
「シナノ! その調子よっ!」
そのきいとゆうの声援が聞こえたかのように、ムサシとシナノはペースを上げて次々とウシたちを床に伏せさせたのであった。
「――取り敢えずはなんとかなったようね」
高見澤ヨウコがそう言いながら近づいてきた。
落ち着きを取り戻した牛舎内では一旦避難していた生徒たちが、おとなしくなったウシたちを柵の中へと戻そうとしている。
そんなときだった。
「みんな良くやった」
寸沢嵐先生が姿を見せた。
「他の獣舎はすべて収まった。いちばん心配だったのがこの牛舎だが、高見澤、千木良、三ケ木、良くやった」
そう言って三人を労った寸沢嵐先生だが、やはり見知らぬ巨大なオランウータンに気がついた。
「……そのオランウータンはなんだ?」
「シナノです」
そう答えた三ケ木ゆうはこれまでの経緯を説明した。
そしてすべてを聞き終えた寸沢嵐先生は深くため息を吐いた。
「……まあ、無断で連れ出した件、鍵を壊した件はいいだろう。
……それよりもだ。
そのシナノの獣舎にも大月先輩の姿はなかったんだな?」
寸沢嵐先生がそう尋ねた。
そうなのだ。
大月香奈恵は騒動の前からも、そして今も行方不明なのであった。
よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。
私の別作品
「いらぬ神に祟りなし」連載中
「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み
「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み
「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み
「墓場でdabada」完結済み
「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み
「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み
「空から来たりて杖を振る」完結済み
「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み
「こころのこりエンドレス」完結済み
「沈黙のシスターとその戒律」完結済み
も、よろしくお願いいたします。




