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生忌物倶楽部  作者: 鬼居かます
39/55

39「第三話 獣使い」私たちは二代目の意味を知る。

【毎日昼の12時に更新します】



この作品には以降のストックがありません。

そのため書き上げてからの投稿となるので一日一回の更新となります。

すみませんが、よろしくお願いいたします。



 


「シナノは賢いからこそ、警戒心も強いの。

 だから三ケ木さんが与えたゆで卵をそんなにあっさりと受け取るなんて正直驚いたわ」




 香奈恵の驚きは本当だった。

 受け取るにしても最初は躊躇すると思っていたし、

 もしかしたらシナノは受け取らないかもしれないとも思っていたからだ。




「ゆうはおサルさんと仲良しなんですよっ。ジャンボも仲良しだしっ」




「ジャンボ?」




 香奈恵の疑問はきいがそのまま説明した。

 ゆうがサルに特化した動物使いだと言うことを伝えたのだ。




「なるほどね。元々、サル……。類人猿に対して素養があったとはね」




 説明を受けた香奈恵は納得したようだった。




「……このシナノは先代よりも扱いが難しいのよ」




「先代? そう言えば二代目ってお話でしたけど先代の子なのでしょうか?」




「そうよ。先代のひとり息子なの。

 ……二年前に生忌物との戦いがあって津久井勇平くんが亡くなった話は聞いているわよね?」




「「……はい」」




 知らないはずがない。

 きいもゆうも先日にその勇平の霊と話をし、ともに戦ったからだ。




「……その戦いのとき、先代のシナノも死んだのよ。

 ……私を庇ってね……」




 重い空気が支配した。

 きいもゆうも言葉を失う。




「そのときの戦いでは私と高見澤ヨウコさん、そして勇平くんが戦ったの。

 シナノとヤマトとムサシとね。

 ……相手はの生忌物は大蛇の形だった。

 大きさは二十メートル近くはあったわ」




 きいとゆうは息を呑む。




「結果的には勝った。でも犠牲が大きかった」




 しばらく無言が続いた。

 香奈恵が言葉を発しなくなったからだ。

 そしてきいもゆうも何も言えなかった。




 そんな状態が続いたのだが、重い表情をしていた香奈恵が急に笑顔を取り戻す。

 そして言う。




「――でも、そろそろ戻ったほうがいいんじゃないの?

 清掃が終わってないと、ひばりが怒るわよ?」




 寸沢嵐ひばり先生の話が出されたことで、きいとゆうは我に返る。




「ああっ、そうだったっ!」




「大変っ! 戻らなきゃ!」




 二人は鶏舎とウサギ舎の掃除が途中だったことを思い出したのだ。




「シナノ。また会おうねっ」




「ええ。また会いましょう」




 二人はそう言いながらシナノに手を降って獣舎を出た。




「……三ケ木ゆう。……彼女ならきっと」




 ひとり残された香奈恵はそう呟くのであった。



 


よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。


私の別作品

「いらぬ神に祟りなし」連載中


「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み

「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み

「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み

「墓場でdabada」完結済み 

「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み

「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み

「空から来たりて杖を振る」完結済み

「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み

「こころのこりエンドレス」完結済み

「沈黙のシスターとその戒律」完結済み


 も、よろしくお願いいたします。

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