34「第三話 獣使い」私はガルーダの太鼓の能力を知る。
【毎日昼の12時に更新します】
この作品には以降のストックがありません。
そのため書き上げてからの投稿となるので一日一回の更新となります。
すみませんが、よろしくお願いいたします。
「ちょっと見てて」
そう言った三ケ木ゆうは撥を手にして太鼓を叩き始めた。
――テケテン、テケテン、テケテン――
するとそれまでムサシの背をピョンピョンと跳ねていたワオキツネザルのジャンボが、ハッと我に返ったかのような表情になった。
そして身を屈めて勢いをつけるとバネのようにピョンと跳ねて部屋の角の柱部分に取り付いた。
そしてまた跳ねると部屋の対角線にある反対側の柱部分へと一気に飛びついたのである。更にそれをなんどもなんども繰り返す。
この部屋はだいたい二十畳くらいあるので対角線の距離は八メートルを超えるのだが、それを苦もなくなんどもなんども跳躍しているのだ。
「スゴイっ。スゴイよっ。ジャンボっ」
きいは手放しで驚き褒めた。
このジャンボにここまでの身体能力があるとは想像もしていなかったからだ。
「違うのよ。ジャンボ、と言うかワオキツネザルにここまでの跳躍力はないのよ」
「じゃあ、どうしてっ?」
きいは驚愕の表情でゆうに尋ねる。
「これがこのガルーダの太鼓の能力なの。
この太鼓を使うことで猿たちの隠れた身体能力を引き出してくれるのよ」
「へえ、スゴイんだねっ」
するとゆうはバツが悪そうな顔になり、舌をペロッと出す。
「あなたに嫉妬したからってのが、この太鼓を手に入れた理由なの」
「嫉妬っ? どうしてっ?」
きいはまるで訳がわからないと言った表情になる。
「きいの犬笛よ。
あんなすごいアイテムを見せられたら私だってすごいのを欲しくなるわ。
それでひいおじいさんにおねだりして譲ってもらったのよ」
「そうだったんだっ。
でももらえて良かったねっ」
「そうね。
……後は相棒かしら?
ジャンボはとってもいい子だけど戦闘向きじゃないから」
きいはジャンボを見る。
今は跳躍を止めていて、再びムサシの背の上でクルクルと宙返りをして遊んでいる。
確かにジャンボの機敏さは魅力だが、撹乱以外は戦闘に使い道はない。
「じゃあ相棒を増やすのっ?」
「そうなるわね。規則じゃ二匹はダメってことにはなってないから」
そう言ってゆうは思案顔になる。
三ケ木ゆうに最も適した相棒は猿だ。
それは幼い頃からそうだったし、今でもワオキツネザルのジャンボがそうだからだ。
だけど生忌物との戦いに巻き込まれることになることを考えると大型で強力な猿。
――類人猿が必須だった。
そうなるとゴリラ、チンパンジー、オランウータンなどになるが、この日本でそうそう見つかることはない。
親の伝手を使えば手に入れることも可能ではあるが、個体との相性の問題もある。
類人猿ならなんでもいいという訳にもいかないからであった。
よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。
私の別作品
「いらぬ神に祟りなし」連載中
「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み
「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み
「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み
「墓場でdabada」完結済み
「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み
「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み
「空から来たりて杖を振る」完結済み
「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み
「こころのこりエンドレス」完結済み
「沈黙のシスターとその戒律」完結済み
も、よろしくお願いいたします。




