表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
生忌物倶楽部  作者: 鬼居かます
18/55

18「第二話 出現」 私はジェヴォーダンの獣の正体を看破する。

【毎日昼の12時に更新します】


●すみません。

 勘違いで3月12日12時の投稿を行っていませんでした。

 申し訳ありません。



この作品には以降のストックがありません。

そのため書き上げてからの投稿となるので一日一回の更新となります。

すみませんが、よろしくお願いいたします。

 



 そんなときだった。




 グワゥッ……!




 後方から迫るジェヴォーダンの獣の噛みつき攻撃を躱したムサシが、

 身体を捻り体を入れ替えたのである。

 そして獣の首に噛みついたのだ。




 今までのように、それはそれほどのダメージとは思えないが、

 それでも獣の動きを一瞬だけ止めた。

 そこに逆落としになにかが高速で飛来しジェヴォーダンの獣の片目を引き裂いた。




 ヤマトだった。

 オウギワシのヤマトが、その鋭い嘴で獣を攻撃したのだ。




 グギャァ……ッ!




 ジェヴォーダンの獣が悲鳴を上げて、仰け反った。

 そこへムサシが体当たりを敢行する。




 すると獣は後方へと吹っ飛びながら、身体を黒い霧へと霧散させた。




「ヤマトだねっ。ヨウコちゃんが来てくれたんだっ」




 きいはそう言いながら辺りを見回す。

 だがヨウコの姿はまだ捉えられない。

 物陰に潜んでいると思われた。




「こんな暗いのに、ヤマトに精密攻撃させるなんて、

 すごい腕前ね。

 ……きっと正確な位置をきちんとヤマトに伝えて、

 攻撃させているんだわ……」




 鳥目の言葉の通り、鳥類は夜に目が効かない。

 そしてそれはヤマトも同じなのだが、正確な座標を伝えて指示していることで、

 精密攻撃を成功させているのだ。

 ヨウコの技量の高さを窺い知ることができる一撃だ。




「……勇平さん……。勇平さんなの……?」




 ゆらりと影が揺れ、木立の中からヨウコのシルエットが浮かぶ。

 腰まである長い髪を揺らし、一歩一歩探るような足取りで近づいてきたのだ。




「ヨウコかい? 際どいところ助かったよ」




「……」




「僕のことかい? 見ての通り幽霊だ。

 だけど思い残しがあって成仏してないみたいなんだ」




「……思い残し? ムサシの使い手のこと?」




「ああ、そうだね。

 こればっかりは僕の都合だけじゃなくて、ムサシの将来にも関することだから、

 命を落としても、やり遂げたかったんだ」




「……その新しい使い手が千木良さん?」





「僕はそう思っている。彼女には可能性がある」




「……私はイヤよ。彼女には荷が重いわ」




 勇平とヨウコは互いに訳を知る者だけがわかる言葉を交わした。




 そして戦いが再開された。

 勇平とヨウコの会話などお構いなく、

 ジェヴォーダンの獣が牙を剥いたからだった。




 ガウッ……!




 勇平の指笛の指示の元、ムサシが体当たりを行う。

 そして仰け反った獣の鼻先をヤマトの鋭い爪が切り裂いた。




 グギャッ……!




 獣が再び霧となり、離れた位置で具現化した。




 一見、ジェヴォーダンの獣にはダメージが通ってないように見える。

 だが霧化する回数が増えたこと、そして具現化に時間がかかっていることで、

 徐々にではあるがダメージが蓄積されているのがわかる。




 そんなときだった。




「……あ、あれっ? なんかちっちゃいのがいるよっ?」




 きい、が突然叫んだ。

 すると霧化したジェヴォーダンの獣の中に小動物らしきものを見つけたのだ。

 それは無数あって、それぞれが重なるようにして固まっているのがわかったのだった。




「……も、もしかしてっ、わかっちゃったかもっ。

 勇平さんっ!!

 私にムサシを操らせてっ!」




 きいの声が届いた勇平は頷いた。

 すると、きいは、ムサシが動きを止めて勇平からの命令がない状態を確認すると、

 犬笛を咥えたのだ。




「ムサシ、そん中のちっちゃいの、捕まえてっーーーーーー!」




 ガウッ……!




 きいの命令を受けたムサシは霧散した状態の獣の黒い霧に飛び込んだ。

 すると唸り声を上げて前足でなにかを地面を抑えつけたのだ。




「……ネ、ネズミなのかしら?」




 ゆうが唸る声が聞こえた。

 見るとゆうが言う通り、

 ムサシが左前足で押さえつけたのは体長30センチくらい程のドブネズミだった。




「見てっ。ちっちゃいのも捕まえてるよっ」




 きいが指さした。

 見るとムサシの右前足が、

 ドブネズミよりも小さい体長15センチ程のネズミを抑えていたのだ。




「……クマネズミね。どっちも家屋に侵入する害獣だわ」




 さすが博識のゆうだった。

 遠目、そして夜間の暗がりにも関わらず、たった一目でネズミの種類を言い当てたのだ。




「でも、なんでネズミなんだろっ?」




 きいは疑問に思った。

 よくよく見ると霧は晴れていてムサシが抑えた二匹以外にも多数いて、

 ムサシの周りを数百匹、千匹を超えるようなネズミたちが包囲していたからだった。


 


よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。


私の別作品

「いらぬ神に祟りなし」連載中


「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み

「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み

「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み

「墓場でdabada」完結済み 

「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み

「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み

「空から来たりて杖を振る」完結済み

「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み

「こころのこりエンドレス」完結済み

「沈黙のシスターとその戒律」完結済み


 も、よろしくお願いいたします。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ