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――シュカッ


私の言葉を聞いた、その瞬間。


距離を詰めたミノルは剣を振り抜いていた。が、私には止まって見えるほどに、遅い。


――ギシ


「...は、はあああ!?」


私はミノルの剣の持ち手を受け止め、攻撃を強制的に中断させた。


「遅いよ、それじゃあ」


ベキッ、メキメキッ


「ぐ、あっ、ぎゃあああっ!?」


私は止めた持ち手、ミノルの手をそのまま握り潰した。


「て、手がっ、手え!!!俺の、手がああ!!」

「手くらいで見苦しいなあ。お前、もっと酷いことしたでしょ?」


あまりの激痛にポロッと手放す剣。それをキャッチ。振り抜く。


ブシュ、と鮮血が舞った。


「ぎゃ、ああ、あああー!!!いでえ、いああがっ!!!」


手首を斬り上げ、飛ばした。


後ろからミオちゃんの声が聞こえる。


「――アカリ!!もうダメ!!その人死んじゃうよ」


「チガウ...ダメなのは、生かしておくのが、ダメだよ。コイツは、タケさんにあんな...いや。タケさんだけじゃない...この街の人達に」


許せない...許せないよ。だって、この街の人々は私の家族みたいなものだった。

街から出られなかった私は、彼らと生きてきた。ずっと。


だから知ってる。優しかった。みんな、いい人達だった...だから!そんな皆んなをこれ以上、危険に晒されたくない!!


「――そう、殺さなきゃ...消さなきゃいけないんだ」


「...アカリ」


自然と涙が頬を伝う。何故かはわからない。けれど哀しみと怒りがごちゃ混ぜとなって溢れ出る。


と、その時。背後から魔力の気配。ザトウの強烈な蹴りが私の額をかすめる。


「ははっ、アカリ...どうして非戦闘ジョブのお前がそれほど動けるのだ?」


私は彼の問いかけを無視し、潜り込むようにザトウの懐へ侵入。彼の反応は追いついてないようで、おそらくは私の残存をまだ見ているのだろう、視線は真っ直ぐ向こうを捉えていた。


私は両腕を交差させ、振り抜くようにザトウの肩を殴りつける。


――メギッッ!!!


「がっっ!!?」


ドガアッッ!!とぶっ飛ぶザトウ。向こうにあった机を粉砕し、気絶した。


「ははっ、やっぱり化け物だ」


「次はあんた」


「いいぜえ。お前となら命をかけて踊ってやるよ」


「...」


だらんと全身の力を抜き、脱力状態になったシカルバ。ゆらゆらと揺れ、両の手に魔力が蓄積されていく。赤いそれは見ようによっては花のように美しく見える。


――この人、ミノルよりレベルが低いけど...ミノルよりも遥かに強い。


動きからしてわかる。隙が無い。


でも、この人もミノルと一緒だ。住人を殺し、命を弄んだ。

だから負けるわけにはいかない。必ず敵を討つ。







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