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16.流されて



――ダンジョン突入時から二ヶ月半。


「...うわーお」


ポンポンと体の土埃を払いながら、つい先程までいた断崖の上を見た。


「大丈夫?アカリ...」

「うん。落ちる瞬間にミオちゃんが入ってくれたから...魔力すごいねえ。私ん家くらいの高さから落ちてもほとんど無傷とは...」

「私ん家?」

「あ、うん。マンションの三階。落ちたときマジでビビったぁ〜」

「足場が脆くなっていたのね。アカリが無事で良かった...」

「うん、ありがとう」


きょろきょろと辺りを見回す。が、どこにも元の場所へ通じてそうな道は無い。


「んー、どーしよっかな...」


断崖を直で登るという手もあるけど。と、岩肌を触ると、ボロボロ崩れた。...もしかして脆くなっていたんじゃなくてこういう岩質なのかな。だとしたらここを登るのは無理がある。


「アカリ」

「ん?」

「気をつけて」


そこらに転がる岩。その陰から無数の狼が現れた。彼らの額には大きな角が生えており、灰色の毛で覆われていた。


「鑑定」


情報開示。


【オモークロモウルフ(霊体)】クラスB+

・俊敏な動きと保護色に変化する体毛を駆使し狩りを行う。狼モンスター。尾が長く、鋭い剣のような斬れ味がある。


――B+!?...しかも、それが七匹!!


「ミオちゃん!」「うん!」


ミオちゃんが私に溶け込み、魔力を与えてくれる。これで最悪一撃死は無くなる。と、彼女と同化した瞬間、背後に忍び寄ってきていたオモークロモウルフが襲いかかってきた。


「がうっ!!」

「っとお!!」


首を狙い飛びかかってきた。噛みつきを最小限の動きで回避。と、同時にアイテムボックスから《黒錆ノ刀》を抜き、そのままモンスターの腹部をぶん殴る。


――ゴッ、パアッ!!


痛烈なカウンター。オモークロモウルフの腹部が弾け、吹き飛ぶ。


「よし、まず一匹!!」


沢山重ねた実戦。その成果、確実に私を強くしてくれてる。

今はもう手が震える事もない。パニックになる事も。私、ちゃんと戦えている。


「ぐるるる...」


構え、彼らの強襲に備える。しかし、予想外にこの戦いは終わった。オモークロモウルフが一斉に逃げ出したのだ。


「あれ...逃げちゃった?」


ポカーンとしている私にミオちゃんがいう。


「頭のいい子ね。自分達ではアカリに勝てないと理解し引いたのよ」

「へえ、さっすがオオカミ」


――ズンン


「「?」」


大きな振動。


「地震...?」


振り向くと、そこにはとてつもなく大きな巨人モンスターがこちらに向かって歩いてきているのが見えた。


「なにあれミオちゃん!?」

「ギガントフットね...確かクラスはA相当だったはず。逃げるよアカリ!」

「わかった!」


と、またしても予想外の事態。ギガントフットの起こす揺れにより足場が崩れた。


「なっ!?」「!!」


断崖と同じく崩れやすい地盤だったのだ。そのまま私達は更に下の方へと転がり落ちていく。そして――


ドパアンッ!!


地下を流れている水流に落ちた。濁流のような激しい流れに自分がどうなっているのかもわからない。時折体にあたる岩のような物に手を伸ばすが、それにしがみつくのは不可能だった。


側で私を心配するミオちゃんの声が聞こえている。けど激しい水の流れに抗うこともできず、私の意識は途切れた。



――ゴボゴボ...







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