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09 就職


「それでは、契約の詳細はこちらになります」

「よろしくお願いしますね、サイリ様」


 はい、こちらこそ、よろしくお願いします。



 えーと、商業ギルドからの突然の呼び出しに戦々恐々、


 おそるおそる来てみたら、"商品監査アドバイザー"として長期契約をお願いしますというお誘い。


 つまりは、特許を当てたい人たちが持ち込んできた玉石混合のブツを容赦無くダメ出ししてくださいという、


 なんと言いますか、僕にとっての天職?



 天職の理由が、もうひとつ。


 僕がチェックするのは、あくまで商品のみ。


 開発者さんとは、一切関わらなくて良し。


 むしろ、忖度防止のため、開発者情報は極力伏せられているのだとか。


 まるであつらえたかのような、僕向きの仕事ですね。



 ちなみに、これに至った経緯ですが、


 スーミャとイリーシャさんが商業ギルドの担当者の方にダメ出し男とのアレコレを語ったら、大変に興味を持っていただけたようで。


 で、面接で何点かチェックを実演してみたら、容赦無いダメ出しっぷりを気に入っていただけたようで。


 ちなみに面接で一番緊張したのは、担当者の方が素敵なお姉さんだったってことでしたよ。




「就職おめでとう、サイリ」


 ありがとう、スーミャ。


 おかげさまで定職に就けましたよ。


 常勤でも定時勤務でもありませんが。



「どんなものであれ、才能は活かすべきであろう、サイリ殿」


 確かに、我ながらちょっとアレな才能だとは思いますよ、イリーシャさん。


 まあ、どこまでお役に立てるかは実際にやってみないと分かりませんけどね。



「おめでとうございます、サイリさん」


 ありがとうございます、プリナさん。


 おかげさまで無職パパという不名誉な称号だけは回避出来そうです。



「パパ……」


 はい、今日の失言。


 すみません、プリナさん。


 でも、真っ赤なお顔も可愛らしいですよ。



「就職おめでとうが別のおめでたになっちゃいそうだよ、イリーシャ」


「これからはこういう生活が当たり前になるのですよ、スーミャ」

「おじゃま虫しないよう、たくさん長期依頼を受けましょうね」



 お気遣いありがとうございます、おふたりとも。


 おじゃま虫なんて思っていませんので、僕への容赦無いダメ出し、ビシバシお願いしますね。



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