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07 ビギナー


 何と言いますか、ひたすら気持ち良い生活です。


 朝起きてから夜寝るまで、平穏であることをことさらに意識せずにすむほどに穏やかな暮らし。



 朝は、ふたりで花壇や家庭菜園のお世話をして、


 昼は、採れたてお野菜や果物の美味しさを語り合って、


 夜は、次は何を指編みしましょうか、なんて語り合って、


 深夜、突然目覚めたりしない、完璧な熟睡が出来る日々。



 理想的な生活、であります。


 この"仙人"っぷり、きっと周りのみんなには歯がゆいことこの上無しなんでしょうけど。


 これでも、プリナさんのご家族・ご友人の方々の信頼を裏切らないよう、精いっぱい自重してるのですよ。



 お料理しているプリナさんの近くをうろうろし過ぎて、たしなめられたり、


 お洗濯しているプリナさんをガン見し過ぎて、たしなめられたり、


 お昼寝をハンモックからひざ枕にレベルアップさせようとして、たしなめられたり。



 つまりは僕なりに、静けさと甘さのせめぎ合いで闘っているのです。


 でも、もうしばらくはこんな感じで勘弁してくださいね。


 なんと言いますか、こういうところが"仙人"では無く"若仙人"と呼ばれる理由かもしれません。



 ……



「ただいまっ」


「ただいま戻りました」


 おふたりが無事にご帰還、元気そうで何より。



「なんだかプリナがすっごく幸せそうだよ、イリーシャ」


「あれこそが十二分に満ち足りた新妻の姿なのですよ、スーミャ」


 帰ってきて早々アレなこと言ってないで、お風呂にでも入ってきてくださいな。



 ……



 おふたりは、そこそこ賑やかに入浴中。


 プリナさんは、そこそこ大量の洗濯ものにおおわらわ。


 僕は、おふたりが持ち帰ったグッズのあれこれを眺めております。



 今回おふたりが受けた依頼は"冒険者用の新作アイテムの使用試験とレポート提出"


 ギルドの売店では、冒険に役立つ様々なアイテムが各種販売されております。


 基本的には、実績のある定番商品しか置いていませんが、


 流行りの物とか新作とかも把握しておく必要があるとのことで、さまざまなレベルの冒険者たちからの幅広い意見を求めているそうです。


 売店にアレを置いて欲しいとか、こんな便利な新商品があるよ、とかですね。



 で、ビギナー冒険者としての観点から話題の新商品をレポートして欲しい、と、あのふたりに白羽の矢が。


 数日間の野営生活、おふたりとも存分に楽しんできたみたいですね。



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