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06 お目覚め


「と言うわけで、プリナへの伝言、よろしくね、サイリ」


 ?



「どうやら、心ここに在らずのサイリ殿は、私たちの話しを全く聞いていなかったようだぞ、スーミャ」


「こんなぼけぼけなサイリなんて、危なくて冒険には連れて行けないよね、イリーシャ」



 スーミャとイリーシャさんは、数日間泊まり込みの依頼を受託したようですが、


 腑抜けっぷりから戦力外通告された僕は、ひとりでとぼとぼと帰宅。


 なんとも情けないです。



 ……



「おかえりなさい?」


 ただいま、です。



 ひとりだけ早帰りの理由をプリナさんに説明。


 微妙な表情のプリナさんから逃げるように、マイハンモックへと逃避。


 逃げ癖だけは、相変わらずなのです。




 今のマイハンモックはよくある網編みでは無く、麻のさらりとした通気性の良さと絹の滑らかな肌触りを併せ持つお高い布をふんだんに使用した、自慢の逸品。


 アリシエラさんとネルコさんと僕との共同開発なのですが、特製ハンモックのあまりの快適さに、商業ギルドへの登録を勧められちゃったほど。


 調子に乗って登録しちゃって、王都の有名な工房とも委託契約しちゃいまして、受注生産ながらも実際に販売されております。


 ですが、素材・製法にあまりにもこだわり過ぎたため超高額商品となり、ニッチなニーズとも相まって、つまりは売れ行きはイマイチ。



 良いんですよ、分かる人だけでも分かってくだされば。


 などと若干不貞腐れ気味な僕の心を癒やしてくれる超快適な揺られ心地。


 つまりは、絶賛逃避中。



 zzz……



 ……



 気持ち良く目覚めたのは、そよそよした心地よい風のおかげ、かな。



「お目覚めですか」


 ……プリナさんが、扇であおいでくれていました。



 しばし、見つめ合ってしまう、ふたり。



 すみません、最近もやもやさせちゃって、このところ居心地がアレでしたでしょう。


「……私は、これからもずっとお側にいるのですよ」


 ……



「もやもやしたり、ゆるゆるしたり、ひりひりしたりしていても、です」


 ……



「それが夫婦……ですよね」


 いっぱいご迷惑をおかけすると思いますが、末永く寄り添ってもらえるとうれしいです。


 

「いつだって、静かに寄り添いますからね」


 おやすみなさい……



 良い夢、見られそうです……



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