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16 幸せ


 今日は我が家で待機中。


 いえ、いつもの引きこもりではないのです。


 久しぶりにアランさんたちが訪ねてきてくれるとのことで、


 プリナさんとふたりで、お庭でのお茶会の準備、ですよ。


 たぶん、お出かけしているスーミャたちも間に合うと思うけどな。




 いらっしゃい、アランさん、ゼシカさん、フルリちゃん。


「元気そうだね、サイリさんもプリナさんも」


「ご無沙汰しております、皆さん」


「プリナ姉さまが、なんだかすっごくキラッキラで幸せそうなのですよ、ゼッちゃん!」


「駄目ですよ、フルリお姉さま」

「幸せなおふたりのお邪魔虫をすると、馬に蹴られてアラン様のようなお顔になってしまいますよ」


「ひどいよ、ゼシカさん」



 ゼシカさんに責められている時のアランさんのうれしそうな表情、


 それに反応しまいとツンとしているゼシカさん、


 そのおふたりをにっこにこで眺めているフルリちゃん、


 相変わらずの仲良しさんなのです。




「で、どうだったの、実際」


 どう、ですか?



「ほら、ヨラシュネイアとかいうお姉さん」


 えーと、問答無用の肉食系って感じで、めっちゃ怖かったです。



「ほう、肉食系猛烈お姉さん……」


 もしもし、アランさん。


 そんなにうっとりしないでくださいよぅ。



「いや、ぜひお会いしたかったなって」


 えーと、今はオーバンの街の巡回騎士団詰め所の地下牢で拘束されているはずです。


 キルヴァニア王都に連行すると間違いなく処刑されちゃうからって、カミスさんたちがわざわざオーバンまで連れてきちゃったそうで。


 興味がおありでしたら、ぜひオーバンへ。



「あの地下牢か……」


 はて、なぜアランさんがその場所をご存知?



「うん、一度入ったことがあるんだよね」


 ふぇっ、地下牢ですよっ。


 何をやらかしちゃったのですかっ。



「オーバンのおみやげ屋さんではしゃきすぎて巡回騎士団詰め所に連行されたのみならず」

「尋問している騎士のお嬢さんを口説き始めるという愚行に、頭を冷やせと地下牢に放り込まれたのですよ」


 ……本当ですか、ゼシカさん。


 それはさすがにフォロー出来ませんよ、特使公爵さまっ。



「いや、歳上の俺を真剣にお説教してくれる騎士のお嬢さんが、すごく愛らしくてさ」

「ほら、こういうのって一期一会って言うし……」


 そんな良さげな四文字熟語を使ったって、フォロー不可ですってば。


 ほら、プリナさんが呆れちゃってますよ。



「いいえ、サイリさん」

「アランさんのお屋敷では、その程度なら日常茶飯事でしたので……」


 うわっ、プリナさんが遠い目を……




 一期一会とか日常茶飯事とかが我が家ではアレな意味で使われることが無いよう、気を引き締めて生活せねば。


 何だか僕の平穏な暮らしへのハードルが、どんどん高くなっている気がするよ。


 でも、アランさんたちはそんな感じの日常を楽しんでいるみたいだし、


 幸せというものは、それぞれの家庭ごとに、全く違う在り方があるのかも、ですね。




「ただいまっ」


「ただいま戻りました」


 はい、おかえりなさい。



 帰ってきたスーミャたちが、早速フルリちゃんたちと交流中。


 うん、何だかいいよね、良い意味でカオスな感じの顔ぶれですよ。



「いいよねえ、スーミャちゃんとイリーシャさんの関係……」


 おっと、アレが噂の、アランさん『モンスター』目線……



 うん、幸せの在り方は家庭によって違うかもしれないけど、


 この世のさまざまな不条理から家族を守るために家長ががんばらねば、と言うのは、不変の真理だよね。


 特に『モンスター』とかから、ね。




「お望みのお仕置きランクをお聞かせくださいませ、サイリ様」


 ……レベルCでお願いしますね、ゼシカさん。


 出来れば、プリナさんの目の届かないところで……



 あとがき


 サイリさんも、すっかりリヴァイスの世界観に馴染んでくれた様子。


 いつもの展開だと、"同居乙女増量"からの呑気イベント連発、となるのですが、


 サイリさんはそこはかとなく一味違う気がしないでも無し。



 もちろん、いつものルートに進んじゃっても良いのです。


 筆が進むままに皆さんが好き勝手してくれているのを、邪魔しないように見守るのみ。



 つまりは、これからもこんな感じでよろしくお願いします。



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