ネルケのその後
洗脳のせいでお花畑だったのです
ネルケは、ゲシェンク国の西側の隣国の出身である。貧乏な平民の彼女は、西の魔女と呼ばれる存在に唆されて隣国の公爵令嬢ヴィンデンブリューテ・アウフブリューエンの婚約者やその周りの男性を虜にすることになった。その代わりに両親や兄弟たちに沢山の金貨を恵んでもらったのだ。さらに、西の魔女はヴィンデンブリューテのありもしない悪行をネルケに語り、ディステル達を解放出来るのはお前だけだと洗脳した。
そのため、ネルケは間違ったことをしたとは考えていない。みんなを助けるために頑張っただけなのに、どうして自分が牢獄に入れられたのかと泣いて暮らしている。
そう、彼女は牢獄に入れられたのだ。当たり前である。隣国の平民が公爵令嬢を貶め、第二王子やその側近候補達を誘惑したのだから。
幸か不幸か、ネルケの親兄弟には責任は及ばなかった。事の顛末を知ったヴィンデンブリューテが減刑を願ったのだ。彼女は西の魔女とアウフブリューエン家の確執に巻き込まれただけだから、隣国にいる彼女の家族だけは助けて欲しいと。
ネルケは明日、内乱罪で処刑される。ギロチンは痛いだろうか?どうしてこうなってしまったのだろうか?
ネルケは眠れない。ただひたすらに怖い。自分が居なくなったら家族は泣いてくれるだろうか?
そして朝日が昇る。ゆっくりと地獄のような時間が流れて、処刑の時間になった。彼女は西の魔女の洗脳のせいで、自分が悪いとは最期まで気付かずギロチン台に固定された。刃が下りる。彼女の生首は苦悶の表情を浮かべていた。
でも金貨のために契約したのはネルケ自身なので