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U-RED in THE HELL ―ナラクノネザアス―  作者: 渡来亜輝彦
第三章A:仮面の王と博物館
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登場人物+用語集

【タイロ・ユーサ】

 本名:遊佐泰路。E管区獄卒管理課の新米獄吏。ぴったり成人年齢。ヘタレで穏やかだが、妙なところで肝が据わっている。神経太め。実は、メカニックが専門。

 すっかりユーレッドにも慣れてきて、最近は甘やかしてもらっている様子。食べることが大好きだが、マリナーブベイで太りそうでちょっと心配。一応まだ命を狙われているはずなのだが、なんとなく緊張感がない。今を楽しむタイプ。ユーレッドからいろいろこの世界のヤバイことを聞かされてしまったが、まあなるようになるかな、とか思っている。

 ユーレッドのことは、いきなり現れたムショ帰りの兄貴的な感じで慕っている(言い方)。

 

【ユーレッド】

 獄卒登録名:獄卒UNDER-18-5-4。本名:ユウレッド・ネザアス。年齢不詳。見かけは三十代。E管区所属の獄卒。

 基本冷淡な性格だが、気に入った人間に対しては面倒見がよい。老若男女有機物無機物問わずかわいいものが好きだが、あまり悟られないようにしている。しかし、意外と詰めが甘い。

 最近タイロに感化されてきたらしく、マリナーブベイでの平穏な生活を楽しんでいる様子。やけに調子が良いのだが、これはなぜかタイロと一緒にいると調子がいいということだけではなく、相性の良い魔女のウィステリアの声を聞いているからであり、本人も実際そうだとしみじみわかっているのだが、表向きは絶対に認めない。

 とある事情から、子供に対して、自分に好意を向けさせるような言動をとるように訓練されていたことが判明する。今も同じような対応をするが、まったく本人は無意識。

  

【スワロ】

 登録名:SW-MAYRAIN08。ユーレッドの索敵用アシスタント。

 手のひらサイズの赤い達磨みたいな外見だが、いくつかの形に変形が可能。なお武器由来型と言われるものでこちらは子機であり、本体はユーレッドの腰の佩刀。

 最近、タイロに感化されてまったりしてきたユーレッドをほほえましく思うと同時に、なんだか緊張感なく子供っぽい男性陣二人に、自分がしっかりしないとこいつらだめだと悟ってしまうことも多くなった。

 スワロがしっかりしなきゃ。がんばろう。

 ちなみに、無意識に子供たちに愛想を振りまいては陥落させてしまうユーレッドにはちょっと腹が立っている。やきもち?


 *


【ジャスミン・ナイト】

 本名:内藤夜寿美。タイロの幼馴染。ヤスミちゃん。

 タイロの幼馴染であり、獄卒管理課の獄吏で調査員(エージェント)エイブ・タイファの助手の美少女。クールで勝気。タイロを悪の道に引き込むユーレッドを快く思っていないが、実際会ってみると意外と紳士的でかっこよかった。が、一瞬、ほだされそうになったが認めていない。まだ、まだ認めない。

 情報処理能力に長け、ハッキングの技術も持つが、それを見込まれてか、謎の男”エリック”から特殊任務を受けて、ドクター・オオヤギを調査することになった。ドクターには逃げられたが、ドクターの受付をしていた男フカセ・タイゾウに不本意ながら気に入られ、彼らの協力を持ってマリナーブベイに乗り込んだ。

 

【レディ・ウィステリア】

 魔女名:ウヅキ・ウィステリア。年齢不詳。妖艶な美貌と声を持つジャズシンガー。通称ウィス。管理者E直属の調査員エージェント

 旧管理局が保有していた対汚泥用特殊能力者の十二月の魔女の一人。その声は汚泥や囚人、獄卒など黒物質ブラックマテリアルを保有するものに対して鎮静の効果をもたらす。獄卒であるユーレッドに対してもその効果があり、彼が彼女の歌を聴いて寝てしまうのは実はそのせい。裏でアルルについての情報を探っている一方、タイロの素性についても調べている。

 

【アルル・ニュー】

 魔女名:キサラギ・アルル。見かけは十六ぐらいの黒髪の美少女。お姫様と呼ばれており、ウィステリアと同じく魔女の一人。

 黒物質に対する造形の能力を持ち、彼らに触れることで再プログラムを行うことができるらしいが、その能力は魔女の中でも特別なものである。

 マリナーブベイ到着後の行方はいまだにわかっていない。ユーレッドは彼女を”安全装置”であり、”鍵”であると評している。


【レコ】

 記録者レコーダーというシリーズの、記録や索敵に特化した獄卒用アシスタント。マジメなスワロより軽い性格をしている。エリックの許可を受けて、ジャスミンにレンタルされており、彼女と行動を共にする。アルルのことは秘匿事項でるのでジャスミンに教えてくれない。ユーレッドには懐いている。


 *


【ユアン・D(ディマイアス)・セイブ】

 年齢不詳の金髪のイケメン。しゃべり方はちょっとキザ。タイロのゆく先々で現れたり、SNSを通じてメッセージを送ってくる。基本的には親切。

 セレブで渋いたたずまいであるが、ジャンクフードが大好き。よくハンバーガーやホットドッグを食べている。相変わらず謎の男だが、タイロに対して「僕は君の味方」と告げ、タイロに博物館のことを教える。おそらくE管区の管理局の幹部クラスの人物と思われるが、正体はまだ謎である。


【インシュリー】

 J管区に出向しているE管区所属の獄吏。今回の任務についてJ管区側獄吏とタイロ達の橋渡しをする役目を仰せつかっている。現在の上司は管理者Xであり、調査員エージェントの身分を持つ美青年。E管区では失踪扱いとなっている。

 タイロに対しては紳士的な人物であるが、ユーレッドに対しては敵愾心をあらわにしている。仕事中は仮面をつけているが、その様子は少し不穏。最近、秘書らしき青年がそばにつくようになった。


【シャオ・ミゲル】

 J管区、管理者Xの配下の獄吏。囚人との戦闘を想定した訓練所の職員。左横をそりこんだモヒカン感のある前は長めの赤い髪とアイスブルーの瞳の美少年。

 まだ十から十二歳くらいの少年だが、この年齢で獄吏をしているということは、エリートとして育成されている人物だということ。その経歴にたがうことなく冷静沈着かつ知的。一般獄吏の知らない事情も知らされている様子。

 普段は生意気なほど大人びているが、訓練で好成績を出したユーレッドのカッコよさとその後の言動に陥落。憧れの視線を向けてしまい、すっかり心酔してしまった。


【オオヤギ・リュウイチ】

 獄卒専門医。通称ドクター・オオヤギ。シャロゥグの郊外にクリニックがある。本人曰く、専門は小児科。見かけは初老の男。

 ユーレッドやドレイクといった大物問題獄卒の主治医。彼ら獄卒に対しても愛情深く接する。どうやら管理局からにらまれている模様。軽い性格だが、物腰柔らかく包容力のある人物で、ジャスミンはタイロと似ていると感じている。その一方で、物事をはぐらかすのもうまい。

 彼の部屋には、ユーレッドに似た白衣の男とタイロに似た白衣の少年の写真が、大切に飾られている。


【フカセ・タイゾウ】

 自称、ドクター・オオヤギのクリニックのシステム担当者。物憂げで陰のあるニヒルなたたずまいの美青年だが、その顔はT-DRAKEとうり二つ、しかし性格は全く違う。べたべたの西方方言を使って話す。

 ハローグローブで広く使われるOSのSysytem Tyrantの開発者である、TYRANTその人。かつてはクラッカーとしても鳴らしていたらしく、自称企業を何個かつぶしたらしいのだが、今はおとなしくしているとのこと。口が非常に悪く、傲岸不遜で俺様な性格だが、自分のフォロワーであったジャスミンに興味を抱き、オオヤギの捜索にリモートで手を貸すと約束し、レコを通して彼女をサポートする。ユーレッドについてもよく知っているが、評価は割と辛辣で、「口の悪い男のギャップ萌えには気をつけろ」らしい。


【エリック】

 ジャスミンの端末をハッキングし、語りかけてきた男。彼女にレコの使用許可を出し、ドクター・オオヤギについて調べるように依頼。その後も陰ながら彼女をサポートしている。フカセ・タイゾウになぜか嫌われており、ドクターに連絡を取りたかったがフカセにすべてガードされてしまった。ウィステリアからも、様付けで呼ばれ、彼女からは慕われている様子。


【エイブ=タイ・ファ】

 E管区所属の管理者アドミE直属の調査員エージェント。ユーレッドの監視役でジャスミンの上司にあたる。ジャスミンの後見人のような存在で、エリックの指令でマリナーブベイに行ってしまったジャスミンを心配し、ユーレッドに彼女の保護を強く依頼してきた。


 *


【メガネ】

 獄卒管理課の職員でタイロの直属の先輩。度入りの眼鏡を愛好している。獄卒管理課の中では比較的エリートの素質がある。

管理者Xの配下の獄吏との折衝に頭を悩ませる一方、負傷した獄卒が行方不明であることや管理者Xの作った強化兵士の看守ジェイラーの材料が獄卒であること、つまり、通常の獄吏も知らされていない裏事情をしっていることをユーレッドに見抜かれ、迫られて逆上。獄卒を過剰に見下している様子から、何か裏事情があるのではと、ユーレッドに推察された。


【ハブ】

 登録名:獄卒UNDER-8-21-2。マリナーブベイにも同行している底辺獄卒。比較的ユーレッドとも仲良くしている。

 いい加減で軽い性格だが、誰に対してもフレンドリーでムードメーカー。その性格ゆえに、獄吏と獄卒の間の叛乱防止の緩衝材として、管理局から評価されていることが判明。そのため、あまり危険な任務は任されないのだが、管理者Xの配下により危うく実験的な訓練につきあわされそうになったところをユーレッドに助けられている。


【ベアヘッド】

 新型強化兵士である看守ジェイラーの制御のためにいる獄吏と思しき男。仮面をかぶっている管理者X配下の獄吏の中でも、ひときわ目を引く特殊な仮面をかぶっており、ボアのついたコートを着ている。なんとなく熊を思わせる意匠であり、その名前も外見から来たもの。口さがないユーレッドやディマイアスからは、熊頭だの熊男だの呼ばれている。

 看守たちに指示を飛ばす司令塔であるが、ユーレッドでも一撃で倒せない虫型囚人インセクトを一撃で倒せる猛者であり、ユーレッド曰く何か混ざっている。


 *


T-DRAKE(ティー・ドレイク)

 管区を超えてさまよっているとされる伝説の獄卒。単にドレイクとも呼ばれる。年齢不詳。見かけは暗くどこか虚無的な美青年。見かけると殺されるという都市伝説を持つ男。蝶型の獄卒用アシスタント、ビーティーを使う。

 ユーレッドとは旧知の仲。オオヤギやフカセ同様、彼のことを本名である「ネザアス」と呼び、彼のことを兄弟のようなものと語る。ドクター・オオヤギを主治医とするが、その容姿はフカセ・タイゾウとよく似ている。

 視力が安定していないらしく、まったく見えなくなる日と少し見える日があるらしい。いまだマリナーブベイに潜伏している様子。


 ***

【用語集】


【マリナーブベイ】

 E管区から一日ほど船で海に出たところにある孤島に作られた享楽的な娯楽都市。 その管理には複数の管理者アドミがかかわっている。囚人や汚泥の汚染もひどく、その処理に手を焼いている一方、コントロールチップを食わせて囚人の一部はコントロールされている模様。

 街中に現地獄卒を見かけることが少ないが、これは市街地で獄卒を戦わせることは叛乱を含む危険をはらむと判断されているからで、市街地では民間兵士を使うか、コントロールチップによる統制をしている。いわゆる獄卒街は郊外の荒野に面したところにある。


管理者アドミニストレータ

 通称、管理者アドミ

 世界の管理をする二十五人の統治者をいう。アルファベットでAからZまでいるらしく、呼び方は管理者Aなど。AからEまでの五人は特に元老扱いされている。なお空席もあるとされる。

 E管区の筆頭管理者は【E】、J管区の筆頭管理者は【C】。マリナーブベイの大半は【C】が統治しているが、複数の管理者が運営にかかわっている。EとCとDはアルルの後見人として名を連ねている。今回の作戦には【X】が深くかかわっており、【X】の獄吏は仮面をつけている。


【|System Tyrantシステムタイラント

 ハローグローブで使われることの多いオープンソースのOS。TYRANTというハンドルネームの人物により開発された。一応、管理局内部では別のOSが使われているが、System Tyrantと非常に似た部分もあり、ベースとなっているか、製作者が同じではないかという噂がある。ハッキングツールなどを公開したり、何かの解説をつくっていたりすることもあり、TYRANT自体、ハッカーを志す一部青少年からカルト的な人気を誇るが、実体は知られていない(まさかあんなに口が悪いとは)。


博物館ミュージアム

 マリナーブベイにある旧世界技術博物館。博物館では、今は再現できない旧技術の産物を保管していることもあり、この博物館もそうしたものの一つ。マリナーブベイの管理者Xの管理する区域にあるものの、その一帯は荒野と化しており囚人が跋扈し、管理局も近づけない。ディマイアス曰く、何かしら危険なものを保管している。

 

黒物質ブラックマテリアル

 かつて神の万能物質とほめそやされたナノマシンの一種。柔軟性の強さゆえに、古い敵対的命令や悪意と結びついて感染性のある汚泥に変異し、囚人の発生原因になったとされる。汚染に強い兵士を作るため、獄卒に投与されているが、嫌悪感を催させることであるため、一般には知られておらず、獄卒に投与される商品名も偽装されている。


汚泥スラッジ

 この世界における汚染脅威。見かけはタールのような粘り気のある黒い物質で、これに識別票が汚染されると、情報が書き換えられて人の姿を保てなくなる。

 その正体は、ナノマシンである黒物質ブラックマテリアルに古い敵意が入り込み感染性を帯びたものといわれている。


囚人プリズナー

 汚泥により汚染された人間のなれの果て。不定形から獣や蟲、人の姿をとるものもいる。黒物質を多量に含んでいるが、単に汚染されているだけの汚泥と違い、明確に攻撃意思を持っていることが多い。マリナーブベイではチップによるコントロールを試みているようだが。


獄卒ゴクソツ

 囚人に対抗するために組織された使い捨て戦士。叛乱防止のため、銃火器の携帯が禁じられている。

 実質不死身であり、汚染にもかなり強いのだが、それは彼らの組織をナノマシンの黒物質と置き換えているせいである。獄卒には人間と違って必要な栄養素があり、サプリメント補給という形で摂取することが多いらしい。


看守ジェイラー

 管理者Xの配下の獄吏たちが作り出した新型強化兵士。表向きは囚人を捕獲し、改造したものとされているが、ユーレッドにより材料が獄卒ではないかと指摘されている。実際、その材料は獄卒である可能性が高く、それゆえに囚人より制御しやすい。さらなる身体強化が行われており、一般的には獄卒よりも肉体的には強い。


魔女マジョ

 かつて汚泥汚染に対抗するために作られた強化戦士の総称。ほとんどが女性。現在ではロストテクノロジーとされる。

 泥に含まれる黒物質に対して再プログラムを行ったり、沈静化させたりと影響を与えることができる。ただし、強力な囚人などの相手を支配下に置くことは難しい。

 

獄吏ゴクリ

 管理局の職員のこと。平たく言うと公務員。特に機密の高い任務に携わり、管理者直属のものと【調査員エージェント】と呼ぶ。


識別票シキベツヒョウ

 この世界の住民ならだれもが持つといわれているIDカードとパスワードが一緒になったようなものであるらしい。しかし、実物を見ることはほぼないし、自覚もない。


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