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U-RED in THE HELL ―ナラクノネザアス―  作者: 渡来亜輝彦
第二章-B:The Secret Report

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登場人物紹介+用語集

【タイロ・ユーサ】

 本名:遊佐泰路。E管区獄卒管理課の新米獄吏。ぴったり成人年齢。ヘタレで穏やかだが、妙なところで肝が据わっている。神経太め。

 幼いころに大規模な汚泥漏洩事故に巻き込まれ、識別票を欠損したことがあるらしい。その際に獄卒に助けられたこともあり、比較的獄卒には好意的なほう。実はメカニックが専門で、スワロには多大な興味がある。

 

【ユーレッド】

 登録名:獄卒UNDER-18-5-4。年齢不詳。見かけは三十代。E管区所属の獄卒。

 基本冷淡な性格であるが、気に入った人間に対しては非常に面倒見が良い。タイロのことはなぜか気に入った模様。基本ツンデレ気質。

 幻肢痛を持病としている為、アシスタントのスワロに痛覚をコントロールさせているが、それにかこつけた無茶な身体改造をしており、対獄卒兵器に対しての抵抗ができる。一方、スワロとの接続がない状態だと幻肢痛を含めた神経痛や感覚の混乱を起こしやすい体質となっており、アシスタントなしでは日常生活が送れないらしい。

 過去、アルル・ニューなる令嬢を拉致監禁した事件に、実行犯として名を連ねている。

  

【スワロ】

 登録名:SW-MAYRAIN08。ユーレッドの索敵用アシスタント。

 手のひらサイズの赤い達磨みたいな外見だが、いくつかの形に変形が可能。なお武器由来型と言われるものでこちらは子機であり、本体はユーレッドの腰の佩刀。

 ユーレッドの痛覚コントロールや感覚についても任されているが、近頃、接続が途切れやすく、アップデートや修理の必要がある。人工知能だが繊細なところもあり、自分のせいでご主人に迷惑をかけていることについては、ひっそり思い悩んでいる。


 *


【ジャスミン・ナイト】

 本名:内藤夜寿美。タイロの幼馴染。ヤスミちゃん。

 メガネ美少女といった感じの外見。タイロの幼馴染であり、獄卒管理課の獄吏。情報処理を担当している有能な職員で、その優秀さを見込まれ、旧知であった管理者アドミ調査員エージェントである、エイブ=タイ・ファの助手をしている。ただ、彼に頼んで機密情報ファイルをちゃっかりいただいたりもする。


【ミズ・ウィステリア】

 本名年齢不詳。妖艶な美貌と声を持つジャズシンガー。現在はマリナーブベイのジャズクラブで歌っている。通称ウィス。

 管理局の調査員エージェントであり、謎めいた言動の多い人物。ユーレッドに一方的に惚れているらしいが、どうやら彼には相手にされていないらしく嘆いている。インシュリーとも旧知であり、彼女自身もアルル・ニュー拉致事件にかかわりがある様子であるが……。

 

【アルル・ニュー】

 別名キサラギ・アルル。

 管理者Eの特別保護を受けている令嬢。五年前程に拉致監禁されているが、その時の実行犯にユーレッドの名前がある。何かしらの事情で、彼に守られたことがあり、かすかに残る証言内容からはユーレッドに対して非常に好意的であることがわかる。その名前自体もトップシークレットに当たるらしい。


 *


【インシュリー】

 J管区に出向しているE管区所属の獄吏。今回の任務についてJ管区側獄吏とタイロ達の橋渡しをする役目を仰せつかっている。現在の上司は管理者Xであり、調査員エージェントの身分を持つ美青年。

 ユーレッドとはアルル・ニュー拉致事件において直接対決をしており、彼が勝ってはいるが、その際の勝ち方が一流の戦士である彼らしくなく、その後思い悩む様子になっていた。現在、E管区では失踪扱いとなり、妻子からも身を遠ざけている。ユーレッドとは、現在も敵意むき出しだがタイロには紳士的。


【ユアン・D(ディマイアス)・セイブ】

 年齢不詳の金髪の男。一見渋めの美男に見えるが、よく見ると若さもあり、表情はちょっとあどけない。しゃべり方はちょっとキザ。獄卒管理課の建物で出会っており、おそらく上級の獄吏と思われる。

 セレブなたたずまいである一方で、妙なチャラさを兼ね備えており、タイロの事情を知った上で、ユーレッドと遊ぶ場所について助言をくれる。胡散臭いが協力者。ハンバーガーが好き。


【エイブ=タイ・ファ】

 E管区所属の管理者アドミE直属の調査員エージェント。忙しく各地を飛び回っているらしく、助手のジャスミンとも通信で会話することが多い。管理者Eの信頼の厚い人物である一方、結構テキトウなところもある。

 本部監視対象であるユーレッドを監視しているのは本来彼だが、結構野放しにしている。


 *


【メガネ】

 獄卒管理課の職員でタイロの直属の先輩。度入りの眼鏡を愛好している。割とすんなりタイロを見捨ててくれるいい性格をした先輩。


【ハブ】

 登録名:獄卒UNDER-8-21-2。マリナーブベイにも同行している底辺獄卒。

 いい加減で軽い性格だが、その憎めない性格ゆえかユーレッドともまずまずのお友達。アルル・ニュー事件にはかかわっていない。


【ベール16】

 登録名:獄卒STANDARD-2-5-16。自前のビルを不良獄卒達の賭場として提供しているWARRクラス出身獄卒。アルル・ニュー拉致事件においてインシュリーの婚約者を監禁しており、それにより獄卒となった。元の名前は、リヴベールといったらしい。

 

 *


T-DRAKE(ティー・ドレイク)

 管区を超えてさまよっているとされる伝説の獄卒。単にドレイクとも呼ばれる。年齢不詳。見かけは暗くどこか虚無的な美青年。

 都市伝説的に出会うと殺されるといわれているが、実際、彼のその時の精神状態如何で攻撃されることはある。視覚に問題があり、その日の状態によって視力に大幅な振れ幅があり、まったく光を感知できないこともあればそれなりに見えていることもある様子。彼の索敵用アシスタントである蝶型の戦闘用ナビゲーター”ビーティー”が音を立てて先導することで周囲の状況や囚人の位置を認識している。

 ユーレッドとは旧知であり、彼のことを”ネザアス”と呼んでいるが、必ずしも友好的というわけではないらしい。ユーレッドからしてもヤバイ奴という認識らしく、警戒されている。しかし、何故かタイロに対しては、「懐かしい」「古い約束を思い出す」と言って好意的な反応を示していた。



 ***

【用語集】


【マリナーブベイ】

 E管区から一日ほど船で海に出たところにある孤島に作られた享楽的な娯楽都市。本来はテーマパークとして作られている。カジノなどの遊興場や酒場などが豊富にある巨大な都市。その管理には複数の管理者アドミがかかわっており、その配下も含めて権力闘争の場となることもある。


管理者アドミニストレータ

 通称、管理者アドミ

 世界の管理をする二十五人の統治者をいう。アルファベットでAからZまでいるらしく、呼び方は管理者Aなど。AからEまでの五人は特に元老扱いされている。なお空席もあるとされる。

 E管区の筆頭管理者は【E】、J管区の筆頭管理者は【C】と噂されており、マリナーブベイの大半は【C】が統治している。ただし、マリナーブベイは複数の管理者が運営にかかわっており、今回の作戦については【X】と彼の配下の獄吏たちが当たっている。


獄卒ゴクソツ

 囚人に対抗するために組織された使い捨て戦士。銃火器の携帯が禁じられている。

 実質不死身であるが、それは獄卒となる際に一部体の組織が置き換えがなされているからであるとのこと。一定以上の痛みを感じると簡単に意識が消失してしまうようにされているが反乱対策である。ユーレッドをはじめ、一部の獄卒はこれに対抗できるような、肉体改造をしているが少なからず代償はあるらしい。


【対獄卒用兵器】

 獄卒の反乱や獄卒の反体制組織に備えて配備されている、獄卒にのみ有効な兵器。

特に【対獄卒ショックウエイブ】と【対獄卒ジャマー】の存在が獄卒の間でも警戒されている。

 【対獄卒ショックウエイブ】は、獄卒が痛覚を感じると意識が消失するように設計されていることを利用したもので、特定の衝撃を与えて一気に獄卒を制圧する。一方で、多用すると獄卒の生命にかかわることから複数回使用は推奨されない。なお、痛覚を利用している為、痛覚のコントロールを瞬時に切り替えできる獄卒には効き目が薄いという特性がある。

 【対獄卒ジャマー】は対獄卒ショックウエイブを低度にしたもの。ショックウエイブが危険であり、一度の使用でも後遺症をもたらすことがあることから、より安全な形で彼らを制圧するために工夫されたもの。衝撃波や低音ノイズとして感知され、獄卒は頭痛や吐き気に襲われたり、体の動きが鈍くなるなどの効果がある。広範囲に照射できることもあり、照射時に周囲に即席のバリケードを張って移動を制限するのが一般的。

 また、索敵アシスタントやナビゲーターの情報を攪乱し、接続を妨害するために、電波ジャミングを行うこともあり、これらは獄卒を制圧する際に、同時に使われることが多い。

 

【アルル・ニュー拉致監禁事件報告書】

 ジャスミンが、エイブ=タイ・ファに依頼して見つけてもらったアルル・ニュー嬢拉致事件に関する報告書。

 そもそもは、アルル・ニュー嬢の移動時にインシュリーが隊長を務めていた護衛を突破され、過激派獄卒にアルル嬢が誘拐されたことに端を発し、それをまた別の依頼主からベール16を通して以来されたユーレッドを含む獄卒が、中身を知らないままアルル嬢の詰め込まれたトランクを強奪。以降、過激派と獄卒の間で攻防が続いていたが、最終的に隠れ家ごと攻撃され、ユーレッドとアルルだけが脱出。

 最終的に誘拐監禁事件の実行犯の一人として、生存していたユーレッドが、インシュリーに対獄卒ショックウエイブを用いられて敗北し、捕縛されている。

 詳細についてはユーレッドも周囲にあまり語らないが、彼曰く、この報告書はサワリしか書いていない、とのこと。

 当該事件はインシュリーとユーレッドの二人が当事者として関係している事件であるが、事件の公式記録は汚泥漏洩事故の際に消失しており、裁判記録も残っていない。また、間接的に事件にかかわっていたベール16がこの一件で裁かれている一方、令嬢誘拐の実行犯の一人であったユーレッドが事実上、罪に問われず放免されている等謎が多く、上層部に握りつぶされた事件と目されている。


【獄吏】

 管理局の職員のこと。平たく言うと公務員。特に機密の高い任務に携わり、管理者直属のものと【調査員エージェント】と呼ぶ。


【識別票】

 この世界の住民ならだれもが持つといわれているIDカードとパスワードが一緒になったようなもの。


汚泥スラッジ

 この世界における汚染脅威。見かけはタールのような粘り気のある黒い物質で、これに識別票が汚染されると、情報が書き換えられて人の姿を保てなくなる。


囚人プリズナー

 汚泥により汚染された人間のなれの果て。不定形から獣や蟲、人の姿をとるものもいる。人家の近くにいる囚人は、汚泥の濃度が高くないが、荒野等人里離れた場所にいる囚人は強く汚泥濃度も高いのが一般的。

 しかし、マリナーブベイの路地裏には、汚泥濃度が非常に高い囚人が散見されており、対獄卒兵器を装備したものまでいる。また、ユーレッドの調査によると、似たような用途不明のチップを飲み込んでいた。

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