登場人物紹介+用語集
【タイロ・ユーサ】
本名:遊佐泰路。E管区獄卒管理課の新米獄吏。ぴったり成人年齢。
ヘタレで穏やかだが、妙なところで肝が据わっている。神経太め。図太く長く生きたい。隠れ美少年な風貌だが、本人は自覚がない。
本来はメカニック志望であり、アシスタントのスワロには並々ならぬ興味があるが立場は弱い。幼馴染のジャスミンのことが色々心配なお年頃。
【ユーレッド】
登録名:獄卒UNDER-18-5-4。年齢不詳。見かけは三十代。E管区所属の獄卒。
基本冷淡な性格であるが、気に入った人間に対しては非常に面倒見が良い。しかし、素直ではなく実は照れ屋さん。懐いてくるタイロについては嬉しく思う一方、自分に異常なところがある自覚があるゆえにちょっと複雑な気持ちを抱いている。
とある一件以降、殺人衝動抑制用の鎮静剤吸入が義務付けられており、煙草に見せかけて吸っている。食に興味がなく、本人は固形食糧だけで暮らせるがスワロに栄養不足だと怒られている。獄卒の耐用年数五年を超えていると推測される。
【スワロ】
登録名:SW-MAYRAIN08。ユーレッドの索敵用アシスタント。
手のひらサイズの赤い達磨みたいな外見だが、いくつかの形に変形が可能。なお武器由来型と言われるものでこちらは子機であり、本体はユーレッドの腰の佩刀。
社会不適合者なご主人の面倒を見るのも大変だとか思っているものの、いざというときはご主人を頼ってしまうかわいい子。ああ見えてご主人はスワロをめったに他人に触らせないので、タイロについては珍しいこともあるものだと思っている。
【ジャスミン・ナイト】
本名:内藤夜寿美。タイロの幼馴染。ヤスミちゃん。
メガネ美少女といった感じの外見。タイロを心配しているのだが、なんとなくぎくしゃくしてしまうことも。情報処理に長けており、機密の高い情報を手に入れることもできる為、ユーレッドについてもタイロより情報をつかんでいる。
お人よしのタイロがユーレッドのような悪党とつるむのは快く思っていない。
【ミズ・ウィステリア】
妖艶な美貌を持つジャズシンガー。現在はマリナーブベイのジャズクラブで歌っている。管理局の調査員であり、上層部と直接のつながりを持っている様子。マリナーブベイにいるのも何かしらそのような理由があるらしい。
ユーレッドに一方的に惚れているらしいのだが……。謎めいた言動が多い。
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【インシュリー】
J管区に出向しているE管区所属の獄吏。しかしユーレッド曰く、本国では失踪扱いとの由。今回の任務についてJ管区側獄吏とタイロ達の橋渡しをする役目を仰せつかっている。彼の上司はJ管区の管理者である管理者Cではなく管理者Xである様子。管理者の要請に従って仮面をつけていることもある。
タイロには紳士的で親切であったが、ユーレッドに対しては敵意むき出しであった。ユーレッドやベール16とは過去に因縁があるようなのだが。ユーレッドはタイロに決して気を許さないようにと告げるものの、タイロにとっては普通に優しいお兄さんである。なお水も滴る美青年。
【ユアン・D・セイブ】
獄卒管理課の食堂でタイロに声をかけてきた男。年齢不詳だが、よく見ると結構若いし、ちょっとチャラいところもある。ただ、謎のセレブリティなオーラがあり、一目で”エライヒト”とわかる。タイロになんでも相談してくれ、と名刺をくれる。
セレブな外見だが、ジャンクフード大好き。
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【メガネ】
獄卒管理課の職員でタイロの直属の先輩。度入りの眼鏡を愛好している、アナログ大好きな人である。
優秀な職員だが、ドライでスレた性格。これは彼が元からそうなのでなくて、獄卒管理課(のタイロの部署)がそういうところなので染まった結果ともいえる。とはいえ、一応、警告なんかはくれる。でも、信用おけない。
【チーフ】
獄卒管理課のタイロの直接の上司。新米のタイロにも結構エグイ仕事を振ってくる鬼のようなオッサン。でも、これも獄卒管理課がそういうところだからである。目下、タイロが一番怖い人。
【ハブ】
登録名:獄卒UNDER-8-21-2。マリナーブベイにも同行している底辺獄卒。
いい加減で軽い性格だが、その憎めない性格ゆえかユーレッドともまずまずのお友達。耐用年数を超えているが、あまり前線には出ていない。たまにユーレッドにポイントを分けてもらったりしているらしい。
【ベール16】
登録名:獄卒STANDARD-2-5-16。自前のビルを不良獄卒達の賭場として提供し、それにより獄卒達を管理しているWARRクラス出身獄卒。
何者かに依頼され、マリナーブベイへの獄卒派遣に関わり、ユーレッドに仕事を持ち込んだ張本人。かつてインシュリーと女性問題で対立したことがある様子。
【管理者】
通称、管理者。
世界の管理をする二十五人の統治者をいう。アルファベットでAからZまでいるらしく、呼び方は管理者Aなど。AからEまでの五人は特に元老扱いされている。
E管区の主担当管理者は管理者E。お隣のJ管区の主担当管理者は管理者Cである。
ただし、マリナーブベイは、複数の管区が建設にかかわっていることがあり、ほかの管理者も影響を持っている。今回の任務にかかわっているのは管理者Xであるとのこと。
なお、存在が不確定な管理者もおり、空席があるのではと噂されている。
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【用語集】
【マリナーブベイ】
E管区から一日ほど船で海に出たところにある孤島に作られた享楽的な娯楽都市。本来はテーマパークとして作られている。カジノなどの遊興場や酒場などが豊富にある巨大な都市。
その建設については複数の管区や複数の管理者たちの思惑が絡んでいる都合もあり、統治についても複数の管理者によってこまやかに分割されており、配下の獄吏たちも縄張りにはそれなりにうるさいようだ。
孤島であるので、本来囚人が入り込みづらい構造となっているが、人の出入りとともについてきてしまうことがある。それらの明らかに由来がわかる囚人については、その由来の管区の獄吏や獄卒が対応に当たるというルールがある。
一方、この孤島についても荒野といわれる廃墟地区が存在し、フェンスで区切られている。そこの部分の囚人や汚泥については、マリナーブベイの地元獄卒が駆り出されているとのこと。
【HELL-0-GLOBE】
ハローグローブ。この世界のこと。
【管区】
ハローグローブの行政単位。
【管理局】
ハローグローブを治める行政局。
【獄吏】
管理局職員のこと。いわゆる公務員。
【調査員】
獄吏の中でも機密性の高い仕事をする職員のことを特別に言う。いわゆる諜報にかかわるもので、管理者直属の部下もいる。
【管理者】
世界の管理をする二十五人の統治者。通称、管理者。
【旧身分制】
かつて使われていたといわれている、出身による身分制度。今は廃止されているが、獄卒の世界では意味を持つ。WARR出身者は、佩刀する風習がある。
【識別票】
この世界の住民ならだれもが持つといわれているIDカードとパスワードが一緒になったようなもの。
【汚泥】
この世界における汚染脅威。見かけはタールのような粘り気のある黒い物質で、これに識別票が汚染されると、情報が書き換えられて人の姿を保てなくなる。
【囚人】
汚泥により汚染された人間のなれの果て。生前持っていた武器を再現して襲ってくることもあり、そうした囚人は強敵になりやすい。大体はスライム状のものが多いが、ヒト型などの形状を保てているものが強くて厄介。
【獄卒】
囚人に対抗するために組織された使い捨て戦士。ほぼ全員が重犯罪を犯した犯罪者であり、獄卒になる際に、なんらかの肉体改造を受けており、事実上ほぼ不死身。また見かけの年齢も変化しない。
ただし、とある種類のショックに弱く、一定以上の痛みを感じると簡単に意識が消失してしまう。これは反乱対策であり、対人間に対しては抵抗できないようにされている。また反乱対策により、銃火器の携帯が禁止されている。