怪異健忘症 実験版
ほとんど というものを経験したことはないが、一つだけそれらしい があるらしい。
らしいというのは、大人になってから から聞いた話だからだ。
昔、 の道向かいには の祠があったのだと言う。
その になにか怖いものがいると、 と で怖がって泣いていたらしい。
まったく にない。
とは三才差だ。その と騒いでいた、つまり も喋れるくらいに成長していたということは、 は五、六歳にはなっていただろう。
なのに も覚えがない。
歳がバレるが、家の前の が木製で暑い夏になると が滲み出ていたことや、祠が にあった のおばあちゃんに もらったことは覚えているのに、なにか についてはまったく がない。
消ゴムで 記憶が ように。
そもそも、なにか とはなんなのだろう。
当時は が流行りだったし、 はいまよりずっとオカルト 心霊に でその手の はあふれていた。
とは言え、 の語彙はあったはずなのだ。
だが、なにか としか表現していない。
?
どうも、 とかしか言いようのない がいたらしい。
そもそも、 どころか地蔵 の 自体見たことがない。
にあって、 が夜逃げしてそのあとに が更地にした時に一緒に も壊したらしいのだが、 そのときは なのよ。
その になるまで毎日見ていたはずの の記憶がない。
あり得ない だ。
しかし、 から を聞いた頃は、一通り を嗜んで飽きた だったので、変な もあるもんだ程度で深く はしなかった。
だしな。
というのは供養で ことが多いので、 があるところは結構な確率でろくでもないことがあった土地だったりする。
見ても ふりをするに限る。
一時期、 にオカルトにはまっていた に、その頃は だとかフィクションではない に近づくなんてもってのほか病が していたので、変な話だ、以上に追求する気は なかった。
いまでも、 としてのホラーは だが、心 トの類いは断固お断りである。
それから は何事もなく過ぎた。
まったく関係の から、動きは出た。
ある と話していて、その から勧められて 、これとっても怖くで厭だからっていう をまったく ないことが判明した。
からは 忘れられるの? と言われたが しか覚えてないや。確か でなんかするんだっけか?
そんな がする。
あれ、 もしかして に対して健忘症になってないか?
前述の の だけではなく、 好きなのにいつの間にか していた心 トお断り病。
になるような を経験したけど、まったく にないだけ?
の記憶はないけど、トラウマ 残ってる?
はできない。
もしそうなら、きれいさっぱり がないがないのだから、 のしようもない。
を書いたりもしない で、昔の を読み返したら乱れた 、窓に! 窓に! なんてこと 。
にかけると被験者は のままに、 の を材料に の を作り上げることが と言う。
でいくと、 は変容する。
の主観から は観測され、 にでも変容する。
それで終わる だった。
、 に対しては健 症なのかもしれない、で はずだった。
また と話すまでは。
の 人に対して で、 の町は は廓 古 怨 が渦巻く だから、 に来なよ。
そう 時、不意 がった。
昔、 が祠で見て は、 の紅 襦袢を って、 とは言え いほ ぐ ずに崩 変容して蠢 、 、だったの、だろう。