タイトル未定
『ただの気まぐれである』
僕は改札が通り、深夜の列車に乗り込んだ。
列車のシートに座ると次々と変わる景色が映っている訳だが、僕には興味がない。
ネットワークを通じて、とある駅と駅の区間がどのような景色であったかとあるトピックで語られていた。
僕は飽き飽きしながら「君たちは暇かよ」と溜め息を漏らしたことさえあった。
それほど景色についての議論について語るだけ無駄だと思っている。
この田舎の深夜列車には乗ろうと考える輩は僕だけだろう。そう思えるほど誰もいない。
「この列車の旅行客は僕だけではないようだ」
車両間に構成される貫通路の扉が開いた。
白い手袋とユーモアある帽子の男は微笑みながら言った。
「今度はどちらへ行かれるのですか」
僕はいつもの慣れた口調でこう言ってやったのさ。
「情報収集が終わったから次の平凡な田舎を探すだけさ」とね。
その男も頷きながら無言で車両間に構成される貫通路の扉に向かった。
「不気味な奴だな」と小言を言いながら窓見上げることにした。
僕の友人たちはいつも暇そうな顔してるよ
ある者はネットワークのトピックについて議論
ある者はネットワークのトピックから考察する者
ある者はネットワークのトピックを提供するもの
他にもあるね。ただね。どれも共通している点は僕の友人たちは暇で仕方ないのさ。
トピックだけが唯一にして暇な時間を解消してくれる情報源なんだ。
このトピックは僕の仲間達でも別々なトピックを持っている。
トピックを持っている者の性格や日頃の態度で変わるものだから暇な奴らが時間潰しのように集めてる。
トピックを持っている者から話を聞いて、トピックとしてインプットして行くのが僕の仕事。
トピックとは話のタネとも言い切れるね。
つまり、僕も暇で仕方ないのさ。
僕は「にゃ-」と呟いた。