異世界
ワールドナンバーを1から2に変えた瞬間周りが森に変わった。
地球では日常で会えない広大な森のようだ。
「世界は変わったみたいだな」
宇宙の存在情報がまるっきり変わったので違う世界だと言う事は瞬間的に理解できた。
森ということは分かっても周辺情報がわからないので。
「サーチ」
草木を除いた動物など人間を対象としたコマンド、頑張ったら今自分が生きている惑星全域も行けるが、情報を見るのがめんどくさいのでやらない。
「ふむふむ、地球にいない生命体の存在情報があるな」
動物のような文字列をしている情報だったが、明らかに存在情報の大部分が始めてみたものだった。
「まぁ今はそれはあとに置いといて、助けに行かないとな」
その生命体の近くに人間情報がある。
情報から見てどうやら激しい呼吸、走りから追われているようだな。
では行こうか
「空間ねじり」
創ったコマンドに対象を基点とし、その近くにテレポートするというものだった。
これは空間という情報を一部破壊し、移動できるように補足情報を継ぎ足したものだ。
創ったのはいいが日本じゃ怖くて試せなかった物だ。
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「はぁはぁなんでCランクモンスター生息位置にAランクがいるのよ!!!!!」
私こと魔法士サーチャはいまAランクモンスター『遊戯』に追いかけられている。
なぜこんな名前かと言うと相手を精神的に追い詰め、遊ぶように四肢を切り取り意識がはっきりするようにじっくりじっくり痛めつけ殺すような所から名付けされた。
「死ぬなら…死ぬならバッとバッとやっちゃいなさいよ!!」
喋れない人型モンスター『遊戯』に追い詰められ諦めに至ったサーチャは背中から倒れ、もうだめだ、という時に。
「ふぅ、ワープは使えてるな」
そこに現れたのはぱっとしない男だった。
見た事もないスキルか魔法などでこちらに来たようだ。
最後の希望だと思い、
「た、たっ、たすけて…」
心臓の鼓動がバクバクなっている中で興奮状態になっているサーチャは重い口を開けそう喋った。
遊戯は男の方に興味を向けそちらに歩こうとしていたが、
「では実験で『死』」
男は死を発声させる時威圧的な声をしていてとても怖かった。
バタッ
遊戯は何か抜き取られたように倒れ小さな砂煙が起きた。
「対人用のコマンドを使う事になるとは」
男は軽くAランクモンスターをあしらっていた。
こんな手も足も出ない魔法?スキル?一体どんな代償を出せば行使できるんだ。
「あ、あ、ありがとうございます。助けてもらってすぐこんな聞くのも何ですが、今のは魔法、スキルどちらなんでしょうか」
男は目を見開いて一瞬驚き何か考え、考えが纏まったのか。
「スキルだよ」
!?…スキルか、スキルは先天性でしか手に入らないと言われている、国宝級レベルで総個数が少なく後天性はそれだけだ。まぁ私などには関係ない話だ。
はぁスキルか、魔法は知識と魔力次第で獲得の可能性があって期待したんだけどなぁ。
「ところでこんな異常な動物かいるところで君はどうしたの?」
「異常な動物?…魔物の事ですか?私は冒険者ギルドで報酬金額が高い討伐依頼を受けたんですけど」
男はさっきの目の開きとは比にならないぐらい開き、驚いていた。
「そ、そうか魔物か、冒険者ギルド、なるほどね」
なにがなるほどなんだろう?
「スキルは何を代償に行使したのでしょうか?」
何か考えてる様子をしてるようだ。別に考える事でもないだろうに。
「代償は無いよ」
!?!!?Aランクモンスターを一瞬で倒すスキルが代償もなしに使うことが出来るなんてSランク級冒険者だぞ!?
「そうだ、助けて頂いたお礼は街に帰ったとき金銭でお支払いたします」
「いや、いい、街に案内してくれれば俺はそれでいい」
そんな事で良ければ案内しよう。
「ではこの森からまず出ましょうか」
私達は街の方向へと足を運ぶ。
次回街ですね