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暴食の粘魔  作者: お猫様
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4話

あれからしばらく進んだところで、またゴブリンを発見することが出来た、しかも今度はニ体。よし、さっき思いついた戦い方を試してやろうじゃないか。

先ずはバレないように近寄って、出来るだけ細く糸の様にして触腕を伸ばす。見えないほど細いとまではいかなかったけど、頑張ったら細めのワイヤー位の細さまで補足することが出来た。

これを上手く操作してゴブリン達の首に引っ掛ける。この時点でゴブリンが僕に気が付き棍棒を振り上げるが、ゴブリンが棍棒を振り下ろす前に、触腕を硬化させて高速で引き戻す。

すると何という事でしょう、一瞬でニ体のゴブリンの首を切断...とまではかなかったけど、大量に出血して直ぐに倒れた。おお!これなら大分簡単に倒せるな。


《スキル『斬糸Lv1』を習得しました。》

何というか、思い付きでやってみた割には意外と強いな。これなら意外と使えるかも?というかスキルってこんなに簡単に習得できるものなのか?それとも出来るようになったことが記されていくシステムなのか...?

それはともかく捕食だ捕食。

「ギッギギッ!!」

《熟練度が一定に達しました。捕食がLv2⊳Lv3に上昇しました。》


ゴブリンを2体捕食したことで捕食のレベルも上がって、体積も増えてホクホクしなから移動していると、ゴブリンの鳴き声が聞こえてくる。その方向に意識を向けると、何かに追い立てられるようにゴブリンが1匹走ってくる。

その体にはいくつかの傷が目立ち、醜い顔を必死の形相に歪めている。しっかし何があったんだろ?僕の中のゴブリンのイメージって、常に下賤な笑みを浮かべているイメージなんだが...

まあいいや、とりあえず隣を通り抜けようとしたところに斬糸で首を切っておくか。スキルはとったけど、特に変わったような気はしないな。やっぱりできる事が記されているだけなのかな?


《経験値が一定に達しました。Lv2⊳Lv3に上昇しました。》

お! レベルアップか。まあとりあえず死体捕食しとこ。

ゴブリンの死体をゆっくーり溶かしていると、僕の捕食タイムを邪魔する相手が現れる。

一人目は、片手剣を持ち、ブレストプレートを着込んだ戦士風の男。

二人目は、ねじれた木の杖を持ち、皮のローブを着たいかにも魔術師といった風の女。

三人目は、弓とを持ち、レザーアーマーを着用した野伏の様な男。


全員の共通点として、金髪に青みがかった目、元の世界でいう所の白人に近く、顔面偏差値は元の世界なら高い部類に入るだろう。しかし三人とも顔にはまだ幼さが残り、青年と言ってもいい年齢であろう。それが武器を持っているのは、元現代日本人の感性としては何処か違和感がある。


おお!異世界初の人間との対面だ。これは冒険者ってやつでは?しかしどうもあちらは友好的じゃないらしい。そりゃまあ、そうだよね。今の僕、スライムだもんね。これはお決まりのあれをやるしかないだろう。

「ぷるぷる。ぼく わるいスライムじゃないよ」

僕の第一声に対して、三人は驚愕の表情を浮かべる。

「スライムが...喋った!?もしかして、変異種か!?」

「に...逃げたほうが良いんじゃ...?」

「どうせスライムだろ?そんなにビビることないだろ」

あ、あれ?なんか思っていた反応と違うな...僕はこんなにも無害を表しているというのに...何がダメだったんだ?

せっかく出会った第一原住民だ。出来れば仲良くしたいんだが...そう思って少しずつ近寄っていくと、戦士風の青年が切りかかってくる。

剣が僕の体に深々と突き刺さったのを見て、青年は何処か安心したような表情をする。

「ほ、ほら。ただのスライムじゃないか」

どうやらこいつ等は仲良くする気が無いらしい。


剣が叩きつけられた衝撃で飛び散ったように見える様に分裂させた破片を飛ばし、それと同時に剣が刺さった部分を硬化させて剣を抜けなくする。青年は一瞬驚いた様な表情をしたけど、直ぐに落ち着いたあたり、やっぱりゴブリンとは違うな。

しかしそれでも一瞬隙ができた。その瞬間に首に斬糸を引っ掛け、青年が飛びのくのと同時に糸を引くと、青年の首が切れ、血が噴水の様に噴き出す。人間を殺したというのに、不思議と罪悪感は沸いてこない。


《経験値が一定に達しました。Lv3⊳Lv4に上昇しました。》

《人間を殺害したため、カルマが0⊳-5に変化しました。》

お、レベルアップ! 人間は経験値がうまいのかな?おっと、今はそれどころじゃなかった。


残りの二人を見ると、仲間があっさり殺されたのを見て逃げ出そうとしていたところだったが、そうは問屋が卸さない。さっき周りに飛ばしておいた破片から触手を伸ばし、二人を地面に縛り付けると、すぐさま硬化させて動きを封じる。

《スキル『触手Lv1』を習得しました。》


「『ファイアアロー』ッ!」

動きを封じて勝ちを確信していた僕に、女が杖を向けて叫ぶ。すると、杖の先端に赤い光が宿り、炎で出来た矢が形成され、一拍置いてその矢が僕に向かって一直線に飛来する。

直撃こそしなかったけど、当たった部分が一気に蒸発する。


体の中から何かが抜けていく感覚とともに、蒸発した箇所はすぐに再生する。

高速再生の効果だろう。


しっかし、あれはヤバイ。あれが魔法ってやつか?

ともかく、次を打たれる前にさっさと殺しておくか。


縛り付けていた触手が引っ張られ、縛られていた二人がちぎれ飛ぶ。

《経験値が一定に達しました。Lv4⊳Lv5に上昇しました。》

《人間を殺害したため、カルマが-5⊳-15に変化しました。》

《熟練度が一定に達しました。触手がLv1⊳Lv3に上昇しました。》

《レベルが一定に達したため、進化が可能になりました。》

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