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暴食の粘魔  作者: お猫様
20/41

20話

男を殺したわけだけども、まずは男を食べちゃおうか。暴食の効果も試してみたいし、この男の記憶を手に入れればコイツの持っている物の効果もわかるだろうし。


先ずは男の身に着けている物を外す。必要な物まで消化しちゃっても困るしね。

まず目立つのは魔法の品の白衣にナイフ、ネックレス、ワンド、あと靴や衣服といった普通の物。

中に硬化らしき物が入ったカバンがある。


そうだな...下着は要らないな。おっさんの着けてた下着なんてつけたくないし、僕の体的になくても別にいい。

身に着けている物を外し終わったら、体の一部をスライム形態に変化させて、捕食する。


男を捕食し終わると、男の記憶が頭の中に入ってきた。

分かったこととしては、この男は前に見かけた街から来たということ。

あの町はマグナ王国とかいう国の都市の一つで、武装都市ファブレとかいうらしいこと。

ファブレは高い軍事力を持ち、鍛冶技術も高水準、などなど。


その中でも、いくつか役に立ちそうな記憶や技術があった。

一つ目は錬金術。どうやらこれは才能などがなくとも技術と道具さえあれば誰でも使える魔法的技術らしく、この男の記憶と技術さえあれば僕も使えそうだ。


出来ることとしては、こんな感じだ。

飲んだりかけたりして使うことで回復や一時的な能力上昇を得たり、逆に敵にかけたりして使うことで毒や能力低下などを与えるポーションを作る。

武具に魔術を付与することで、様々な効果を持った特殊な武具を作り出す。この魔術を付与する事を魔化、魔化された武具を魔具というらしい。

変わり種としては、キメラやゴーレムといった魔法生物の制作などもある。


などなど、まあ全体的に何かを作るための術だね。その中でもこの男はポーションを作ることを得意としていて、魔化は並み、魔法生物の作成は苦手としていたらしい。


二つ目は魔術。そう、魔法じゃなく、魔術だ。僕が使うのは、というかモンスターや魔人が使うのが魔法で、人間が前者に対抗するために編み出したのが魔術らしい。

魔法が魔力を使うことで、火魔法なら火そのもの、を操るものだ。それに対して魔術は、詠唱をすることで魔方陣を展開して、魔方陣に魔力を流すことで特定の現象を作り出すものらしい。


ぱっと見魔術は魔法の下位互換っぽいけど、意外とそうとも言い切れないかもしれない。

魔法の方が自由度はあるかもしれないけど、使用者のイメージがそのまま反映されるから、使う際には精巧なイメージがないと上手く発動しない。

それに対して魔術は、魔方陣は一度展開すればしばらくの間維持できるらしく、事前に戦闘が起こる事が分かっていれば、魔術の方が瞬発力があるといえるだろう。


それとどういう訳か、モンスターや魔人には魔術は使えないらしい。これに関しては、まあよくわからないが、人間にはあって、モンスターや魔人にはない何かがあるのだろう。


三つ目は冒険者に関する知識。この男の記憶を基に考えると冒険者は、国家からの干渉を受けず、複数の国にまたがり存在する、対モンスター専用の傭兵といった感じだ。

ファンタジー作品ならお決まりの組織だけど、実際に存在するとなるとなんで維持できているのかわからない。

それはおいておいて、この世界の冒険者にもやはりランクが存在する。

ランクはE~Sで、EやDが初心者、Cが一般冒険者、Bが中堅、Aが事実上の最高位だ。


この中でも僕が警戒が必要だと思う相手は、物理系ならBランク以上、魔術系ならCランク以上だ。

物理系でもBランク以上ならほとんどの人間が魔法の武具を持っており、僕にダメージを与えることも可能だろう。

魔法系はEやDでも僕にダメージを与えること自体は出来るだろうけど、僕を殺しきれる魔法を使えるのは、最低でもCランク以上だろう。


まあ、ランクで分けられているといっても割とピンキリみたいだし、ランクで判断するのは危険かもしれないけどね。


よし次はこの男の持ち物を確認していこうか。

先ずは普通の服やズボン、靴といった衣類。デザインはファンタジー作品とかで町人とかが着ているような物で、品質は前世の物に比べれば劣るが、それなりにしっかりとしたつくりをしている。

これが普通に売っているなら、前世の中世ヨーロッパのような時代より、大きく発展を遂げているらしい。


次に白衣やナイフ、ネックレス、ワンドといった魔法の品。こっちもデザインは衣類と同じようなファンタジーチックなデザインだが、品質もこっちの方が良いし、デザインも凝った物になっている。

効果はそれぞれこんな感じだ。


白衣の効果は、常に清潔な状態を保つ効果と自動修復。

ナイフの効果は、が魔力を流すことでの切れ味の上昇。

ネックレスの効果は、所有者の魔力量に応じた障壁の展開。

ワンドの効果は、所有者の魔力変換率の上昇。


この魔力変換率ってのは、前世で言うなら電気をイメージするといいかもしれない。

魔力が電気で、魔術が電球やモーター、魔方陣が回路だ。

電球を光らせたりモーターを動かす(魔術を発動させる)ためには、回路(魔方陣)を作って、電気(魔力)を流す必要がある。

電気(魔力)を流すときに生じる抵抗、これが小さいほど変換効率がいい、ということだ。


記憶や技術、持ち物の確認は終了したし、街に行く準備を始めますかね。

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