16話
とりあえず強敵がいる事も考慮して、進化してから入るとするか。
さてさて今回の進化先は何かな?
~進化候補~
・ヒュージポイズンスライム:通常よりも大きく成長したポイズンスライム。毒で敵を弱らせ、巨体で抑え込んで捕食する。
・ミミックスライム :体の色や形を変化させることのできるスライム。何かに擬態して他の生き物を襲う。
・ヴェノムブロブ :多くの生物を殺し、呪詛によって歪んだポイズンスライム。アンデッドの特性を併せ持ち、怨念の霧を纏う。
今回は三択か...悩ましいな。
ヒュージポイズンスライムはどう考えてもポイズンスライムが大きくなっただけだろうし、これについては特に考える必要は無いだろう。
次にミミックスライムだけど、多分人型を取ってたから出てきた進化先じゃないかな?
それはともかく、これは面白いだろうけど、今は別に擬態の能力は必要ないかな。これを使えば人の姿になったりできるかもしれないけど、そこまで細かく変化させられるかわからないし、それだけのスペックがあっても僕がそれを使いこなせる自信はない。ついでにあんまり強くなさそう。
強敵対策のために進化してから行くってのに、これを選ぶ意味は無いだろう。
次は問題のヴェノムブロブだけども...これは何だ?説明文からして、殺害数が一定以上とか?もしくはカルマが一定以上とか?まあそんな感じで出てきたんだろうけども、もはやスライムかどうか怪しくなりつつある。
とりあえずこの種族の一番の問題点、アンデッドの説明を見ておくか。
~アンデッド~
すでに生命が失われた肉体や死者の怨念が、何らかの影響で活動を始めた存在の総称。
総じて即死攻撃や精神攻撃が効かず、闇や氷の属性に対して高い耐性と適正を持つ。
対して回復魔法や回復薬でダメージを受け、光や炎の属性に対して脆いという特性を持つ。
ふむふむ。長所も短所も多いってところかな?ただまあ、この弱点さえカバーすればコイツがコイツが一番強そうなんだよな。
たぶん炎属性ってのは前見た炎の矢みたいなのだろうし、きっと同じようなのがほかの属性にもあるんだろう。それを何とか対策をつける必要があるけど、魔法に対して対策が必要だったのは今までだってそうだし、回復魔法や回復薬でダメージを受けるといっても僕には高速再生があるから回復には事足りてるしね。
そう考えればそこまでデメリットはないんじゃないか?
よし!ヴェノムブロブを選択!
ヴェノムブロブを選択すると、体が高速で組み変わっていくのが分かる。
《種族が ポイズンスライム⊳ヴェノムブロブ に変化しました。》
《スキル『不浄の霧Lv1』を習得しました。》
《『毒分泌Lv3』が『不浄の霧Lv1』に統合されました。》
《スキル『偽物の命』を習得しました。》
《『毒耐性Lv1』が『偽物の命』に統合されました。》
体の変化が終わると、体が明らかに変化した。
体はスライムというよりは、粘度の高い黒い泥といった感じになり、色のがまばらになっていて、場所によっては黒というより濃い緑に近い。しかも体の周りにうっすらと緑がかった黒い霧を纏っていて、近くにあった雑草に霧が触れると、一気に黒く変色して崩れ落ちた。
なんというか、凄く禍々しい。それじゃあまず、ここまで変わっちゃったわけだから、ここらで一回ステータスを確認しておきますかね。
~ステータス~
名前 :なし
種族 :ヴェノムブロブ
レベル :1
称号 :転生者、異世界人、悪食、過食
カルマ :-40
アクティブスキル:なし
パッシブスキル :なし
ユニークスキル :『不定形の体』
種族スキル :『捕食Lv5』『不浄の霧Lv1』『偽物の命』
なんか最初に比べて、スキルに物騒な名前が増えたな...とりあえず新しく手に入ったスキルの確認もしておくか。
~種族スキル:不浄の霧~
触れた対象に 麻痺、猛毒、呪い、腐食、汚染 の状態異常を付与し、負属性のダメージを継続的に与える効果の有る霧を体に纏うスキル。レベルによって状態異常の継続時間やダメージ量が上昇する。
~種族スキル:偽物の命~
負属性ダメージ吸収、毒吸収、呪い吸収、即死無効、精神攻撃無効、疲労無効、闇属性効果半減、氷属性効果半減、不老。
正属性効果反転、光属性ダメージ倍化、火属性ダメージ倍化
以上の効果がある。
なんかどっちも凄いな...偽物の命の方は耐性と弱点を与えるスキルか。耐性の数に対して弱点は三つしかないし、これは結構便利なんじゃないか?
そんでもって不浄の霧、なんかやばそうじゃない?霧に触れただけで大量の状態異常に加えてダメージも与えるって...これはかなり当たり系能力なんじゃなかろうか?
しかもこれ、意識すれば出し入れもできるらしい。これは便利。これのせいで装備してる物、僕の場合はローブが腐食したりしたらたまったもんじゃないしね。
それじゃあ進化も終わったし、扉の先に進むとしましょうか!