12話
あれからもう一度ゴブリン肉を仕掛けて待ってみり、場所を変えてもう一度試してみたりしたけど、さっきの三匹を最後に全然かからなくなった。
狼も学習してるのかな?いやまあ、狼だって死にたくないだろうから学習もするか。ともかくこの待ち伏せ戦法はもう使えないらしい。
しかも狼は僕が近寄ろうとすると逃げ出す始末、そろそろ第二層での狩も潮時かな?
とりあえずあるかどうかは分からないけど、第三層でも探してみるかな?
第一層では奥に行けばゴブリンの数が増えて、その先に第二層に続く階段があった。て事は、此処でも狼が多くいる場所に向かっていけば第三層に続く階段があるんじゃないか、っていう考えだ。
まあ第一層が偶然そういう配置になっていた可能性は有るけど、奥に行くってことは冒険者が行きにくくなるし
どうせしばらく歩くだけだし、次の進化条件でも考えてみるか。
ヒュージスライムは体積が一定以上、ポイズンスライムは毒を食べたから進化先として出てきたはずだ。
て事は今回も一定以上に体積が増えていればヒュージポイズンスライムとか進化先に出てくるんじゃないかと思う。たぶんこれがポイズンスライムの通常進化だと思う。
次に今のところ僕が進化の条件になりそうだと思ってるのが称号の過食。ポイズンスライムの進化条件が悪食の称号の取得だったら、これも多分進化先に影響してくるはずだ。
他には特定のスキルの取得とかも条件としてありそうだな。
後はカルマかな?自分以外がステータスを見れるかどうかわからない以上今のところまだよくわからないけど、せっかくこんなモノが有るんだから、善悪の判断以外に何かしらの影響が進化先に在ってもおかしくないんじゃないかと思う。
ここまで考えてみてどれもありそうだしな...ゲームとかだと特定の称号やスキルを持っていないと出てこない進化先何かはよくある。
カルマはほとんど僕の予想だ。というのも、カルマ値が有るゲームってなかなか見たことが無い。あったとしても進化先とかよりは、これによってハッピーエンドとバットエンドに分かれたり、特定のイベントの有無だったりと、そういったところに影響してくるイメージだからだ。
そんな考えであっちこっちにふらふらと歩いていた結果、なんとなく階段がどの辺にあるか分かった。
途中まで、狼が僕から逃げるからこの方法で探すのは難しいと思ってたんだけど、特定の方向に向かおうとした時だけ、逃げ腰だった狼たちが攻撃してきたのだ。
だから狼が攻撃してくるようになったルートをたどって進んでいるのだ。
と、そんな事を言ってる間にまた狼が五匹襲い掛かってくる。まあ所詮は狼、触手で縛り上げた後そのまま捕食して終わりだ。最初は剣で切り捨ててたけど、途中から数も増えてめんどくさくなったし、一撃で終わるから練習にもならないから触手で倒すようにした。
ここまでにすでに八匹の狼を倒した、数も増えていると思う。
そんなこんなでしばらく歩いていると、狼の死体だと思う何かを発見した。牙や爪、毛皮が剥がされて残った肉の部分にも、切れ味の悪い刃物で切ったような傷がいくつもついて非常に分かりにくいけど、形的に辛うじて狼の死体だとわかる。そんな気持ち悪い肉の塊がいくつも転がっている。
ナニコレ?僕は殺した狼は全部捕食してきたし、狼が同族同士で殺しあうとも思えないし皮をはがすような気用の事は出来ないはずだ。ゴブリンの群れを襲撃移した時も牙や爪、皮といったものが無かったからこんな事をすることは無いはずだ。
て事は冒険者か?人間なら牙や爪は鋭いから武器に、皮は意外と硬いから防具とかに使えるだろうから剥ぐ理由も分かる。て事はこの先に冒険者が居るのかな?
しっかしそうなると面倒だな、幸い此処は一本道だから方向を間違うことは無いけど、そうなると冒険者との遭遇は避けられないだろう。
今までの経験からして仲良くは出来ないだろうし、多分戦うことになる。相手が物理攻撃しかしてこないなら何の問題も無いけど、問題は相手が魔法を使ってくる時だ。それも辺り一面を焼き払ったりするような、広範囲なやつを使われるとどうしようもない。
いや、よく考えたら問題ないな。僕の戦い方は物理無効にモノを言わせた近距離戦だ。狼の傷跡から冒険者にも剣を使う前衛が居るのは確定だし、間違いなく近接戦は起こるはずだ。そんな状態で大規模な魔法なんか使ったら味方も巻き込む。流石に仲間ごと魔法で攻撃されたらヤバいけど、仮にも仲間なんだから、巻き込んでまで撃ってくることも無いだろう。もし撃ってきても精々前見たフレイムアロー位の小規模な物だろうし、それでも連発はしてこないはずだ。それなら魔法のダメージより高速再生の再生力が上回るはずだ。
そう考えると、案外簡単に勝てるんじゃないか?人間は経験値がうまいし、今の僕はかろうじて人型だから冒険者の装備を剥いで使ってもいいな。そうと分かれば行くしかないでしょ。