表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
377/397

377.そして、温泉旅行・彩和へ

現在多忙のため次回更新を少し延期させていただきます、申し訳ありません。

予定としては3/28(土)~29(日)あたりで一度更新したいと思います。このような状況は今しばらく続きます、ご了承下さい。

 商業ギルドでの話を済ませて外に出た。さてどうしようかと思ったが、同行しているエレリナ以外は、ヒカリの買い物に同行しているだったな。ならばとミズキに念話を送ってみる。


『ミズキ、ちょっといいか』

『ん、お兄ちゃん? どうしたの?』

『こっちの用事が終わったから、そっちは今どうしてるのかなと思って』


 どこか近くをウロウロしているなら、合流するのもいいかなぁと思ったのだが。


『こっちはもう家に戻ってるよ』

『えっ、そうなのか? 随分と早くないか』

『んー……えっとね、それも込みで話があるかな。もう戻ってくる?』

『おう。それじゃすぐ戻る』

『はーい』


 念話を終えて、今の会話をエレリナに話す。それでは帰りましょうかという事になったので、さっくりと【ワープポータル】で家の玄関まで転移する。すると、確かに全員がリビングでお茶と菓子をひろげ談話していた。


「カズキ、おかえりなさい」

「おう、ただいまー……って、ヒカリの買い物ってもう終わったのか?」

「えっと、それなんだけど──」


 俺の質問に、少しばかり申し訳なさそうにするヒカリ曰く……せっかくだから、今度の彩和への旅行に同行して、そこであちらの家具……要するに和風モノが欲しいと。

 なんでも今まで住んでいた実家の自室も、フローリングではなく畳部屋で、それに関して結構な愛着があるとか。ベッドよりも畳+布団が好きだとか、イスなども畳ベンチが欲しいとか。特に素足で畳の上にいることが嬉しいそうだ。


「だからあの部屋、あらかじめ畳の小上がりがあったのは凄く嬉しかった。それにさっきフローリアちゃんから聞いたんだけど、彩和にはいい畳職人がいるんでしょ?」

「あー……そういえば、十兵衛さん経由でいい畳を融通してもらったんだっけ」


 以前フローリアの城の自室に敷いた畳がまさにソレだった。俺たちの個室にある畳もそうなのだが、そこそこの品なので有り余る……という程は所持していない。

 そんな話をしているとヒカリが、


「あの、“じゅうべえ”さんってどなたですか?」

「そういえば話したことなかったっけ。ゆきとエレリナ──ゆらのお父さんだよ。狩野十兵衛さんで、忍者である狩野一族の長を務めてる人だよ」

「へぇー……となるとー……私とはどういう関係っていう設定?」

「「「あー……」」」


 俺とゆきとエレリナの「そういえばー……」的な声がハモる。

 だが、言われて気付いたが確かにそうだ。まさかヒカリがゆきの前世での妹だと説明するわけにもいかないが、勝手に知らない親戚縁者というのもムリがある。

 そんな話をしているとミレーヌが、それならば……と口を開く。


「でしたら、ヒカリさんはこちらで知り合った彩和出身の者で、ゆきさんと仲が良いから親しみを込めてお姉ちゃんと呼んでいる……というのではいかがでしょう」

「まぁ、そんな感じなのが無難だね。最初に説明しておけば、その後なら目の前でお姉ちゃん呼びしても大丈夫だろうし」


 そうヒカリが言ったところで、エレリナがちょっとばかり顔色を悪くしてブルッっとわずかに震えたように見えた。


「……? エレリナ、どうかした?」

「あ、いえその……なんでも、無いです……」

「……あー! そういう事ね」

「んー? 何がそういう事なんだ?」


 その様子を見ていたゆきが、合点がいったとばかりに納得顔をする。だが俺も含めて、他の者は「?」が浮かぶばかりだ。


「あのね、そのあたりの設定……というか説明無しで、いきなりお母さんの前とかでヒカリが私を姉呼びしたとするじゃない? そうすると、事情を知らないと何か血縁のある姉妹なのかって思う可能性があるじゃない?」

「まぁ、そうだろうな」

「そうなった場合、お母さんがお父さんにどういう事なのかと詰め寄ると思うの。その光景をお姉ちゃんは想像したんじゃないかな?」


 そう言ってエレリナの方を見ると、こくこくとうなずく。以前お会いしたことある狩野の奥さんっておとなしそうだったのに……怒ると怖いのか。さすが一族の長の婦人だ。


「……さてと。そうなると、そろそろ彩和の温泉旅行の予定をちゃんと建てようか」

「そうですね……。エレリナ、彩和での温泉宿の都合はどうなっていますか?」

「はっ。予定している宿は狩野一族で管理しているもので、私達であればいつでも大丈夫となっております」


 フローリアの質問に万全だと答えるエレリナ。聞けばその宿は、いつも俺たちが彩和へ行った時の転移先にさせてもらっている場所にある大衆食堂、ああいった狩野一族が運営管理に携わっている施設らしい。なのでエレリナやゆきは無論、その関係者である俺たちならばいつでも歓迎してくれるそうだ。


「えっと、ヒカリは二週間くらいは特に予定ないんだよね?」

「うん、そうだね。大学始まるまではそのくらい時間あるかな」


 そういえば先日久しぶりに会った時にもそんな事を言っていたな。となれば遅くても一週間ほどで予定をたてれば十分ゆっくり旅行へいけそうだな。


 こうして予定を考え、同行する予定の人たち──ユリナさんとエリカさん、マリナーサとエルシーラ、そしてアミティ王女とリスティ王女と連絡を取り、結果三日後に出発することになった。

 思ったよりも早い……と思ったが、なんでも皆「そろそろかなと思ってました」との事。楽しみにして予定を調整できるようにしてくれていたんだな。




 ……そして、彩和への温泉旅行の当日がやってきた。

 うんうん、普通に楽しみだ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ