80年のツギタシ
掲載日:2014/06/28
テレビでよく蒲焼やトンカツのソースについて店主が自慢している。
「ウチは祖父の代から、このタレを継ぎ足ししてまして〜‥‥」
という言葉。
毎回それを見るたびに「それって、最初の頃のタレと全く別物じゃないのか?」と思う。
箱の中に白い玉が100個入っている。これが最初のタレ。
次に箱の中から玉を一回ごとに5個ずつ抜いていく。
そして代わりに黒い玉(これが新しいタレ)を5個ずつ入れていく。
そうすると箱の中の玉は十回目ぐらいには半分ぐらいが黒くなっている。
これを80年近く続けていれば箱は完全に黒くなるだろう。
これは人間にも当てはまるんじゃないかな、と私はふと思った。
子供の頃の純粋な「私」が、十年も経てば僅かな子供の頃の玉を残して、別の「私」になり変わっている。
タレが継ぎ足されるのと同じように。
一体、白い玉はどこに行ってしまったのだろうか?




