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白いシャツ。
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白いシャツが風に揺れている。
ハンガーだけがそれを留めておく命綱だった。
新緑の季節はなんてゆうか、むずかゆい。
変にクラスに馴染んできて、変にリーダーシップとるやつとか友達の輪から浮き始めるやつとか。
あれ、こいつなんか違うな、
なんてそんな簡単な感情からそれは始まってしまうのだ。
私は白いシャツ。
ゆらゆら揺れる、右へ左へ。前へ後ろへ。
周りに惑わされて揺れるたびに見える景色が簡単に変わる。
必死なんだ。
この場に留まれるかどうかが。
わたしの命綱、それはなんでしょう。
それを手放した瞬間、わたしはもぅ揺られてはいられなくなるから。
だから、わたしはハンガーを大事にしないといけないね。
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