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決別の森。

****




イラついたって何も変わんねぇよ、と俺は俺自身に言い聞かせる。



俺の名前は、サトウタカフミ、と言うらしい。


本当かどうかなんて分かんねぇ。なんてったてこの森に入ってから記憶がねぇんだ。いつからここにいるのか、どうやって抜けるのか、誰と来たのか、つーかそもそも何でここにいんのかが一番分かんねぇ。


なんで名前が分かったかというと、ポケットに入ってた手紙のおかげだ。


“サトウタカフミ”様宛てに書かれた手紙を俺が持ってるってことは、つまり俺が“サトウタカフミ”様ってことだろ?


ちなみに差出人は“森川”とだけある。誰だよ、モリカワって。


手紙を開くと短く“湖に来い”と急いでペン走らせましたって筆跡で書いてあった。読めなくないが、まぁキレイな字じゃないわな。そのくせ、この“森川”ってやつ、自分の名前だけ丁寧に書くのな。いるいるこーゆーやつ。



…と、いうわけで今に至るわけですがね、30分歩いたとこで気付いたわけ。


…湖ってどこよ!?


手紙にゃあ不適切に地図も同封されてたけど、なにが不適切って現在地が分かんねんだよ。それに自慢じゃないが地図は読めない。読めない上に現在地が分からない。イラつくねぇ。


そもそもがさ、湖に行ったらどうなるとか、なんで来てほしいのかハッキリ教えてほしいね。俺、訳もなくさ迷うのってマジ堪んない。あーぁ、女でもいれば全然別なんだけどな。



真実は分かんねぇ。

でも行くしかないんじゃないの。だってさぁ、ほかに頼るもんなんかないんだもん、いまの俺。やってやろうじゃないの。待ってろ“森川”!


よし、そうと決まったら、とりあえず進め。


進め、俺。




****

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