表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/9

シグナル。

****




彼女はぴょんぴょんと跳ねるように歩く。







「わたしはね、」彼女は躊躇することなく堂々と言ってのけた。「地球のうさぎになるの」


「ち、地球のうさぎ…?」


あまりに突拍子もない台詞だったから、声が上擦っていたかもしれない。それでも気にとめる風もなく彼女は話を続けた。


「そう。わたしはここよ、ここにいるのよ、ってシグナルを送ってるの。」


現実味のない答えに僕が思わず吹き出すと、彼女は膨れっ面になって睨んできた。


「あぁごめんごめん。ね、じゃあさ、一体誰にシグナルを送ってるというんだい?」


「宇宙によ!」彼女は当たり前じゃないのと言わんばかりの口調で言った。



…宇宙、か。

なんてスケールの大きい話だろう。


こんな小さい体で宇宙にメッセージを送っているなんて。



――ぴょんぴょんぴょんぴょん。

彼女が跳ねる。


――ぴょんぴょん。

つられて僕も跳ねてみた。


「ふふ。あなたも宇宙にシグナルを送ってるの?」


――ぴょんぴょんぴょん。




(なぁ、知ってるかい)僕は心の中で答える。

(僕は跳ねてないだけで、いつだってシグナルを送っていたんだよ。)




(…君という惑星にね。)




*****

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ