表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
91/120

5



激しく後悔した。


なぜこの緑を、もっと早くに始末しておかなかったのか。


どんな手使ってでも、この世から抹殺しておくべきだった。




「デート……って、誰と誰が?」




半分、意識が飛んでいた。


朦朧とするなか、ぼそぼそと呟く私に、ハイジの目の光は衰えることはない。




「お前だよ。相手はお前が選べよ」


「は?」




この男はつくづく思いつきで動く。


もう少しわかりやすく説明してくれればいいのに。


それよりもミスコンの方がよっぽど重要なんだけど。

一刻も早く、出場なんて取り消さないといけないのに。


ハイジが何を考えて、こんな余計なことをしたのかは知らない。

でも、それを決めるのは私でしょ。


どうせ、私をおちょくるため。

私で遊ぶため。暇つぶしのため。


それだけだ。


ハイジの考えなんて、その程度なんだよ。


全部お見通しだっつーの、緑ボーズ!!




「デ、デートなんかしない!!」


「却下。お前に拒否権はねえんだよ。誰とデートしたいか選べ。お前の選択肢はそれだけだ」


「バカ?ねぇ、あんたバカなの!?なんで私がデートしなきゃいけないの!?」


「バカバカ連呼すんな、バカは承知だ。お前よ、男とデートしたことねえだろ」


「……うるさいな。あんたには関係ないじゃん」




な、何なのよ。

ないわよ、ないけど……なんでそんなこと、コイツに言われなくちゃなんないの。


デートしたことないからって、それが何だっていうのよ!



一方的に話を進めるハイジの身勝手さに、言葉が詰まってしまう。



助けを求めるように、他の三人に視線を流してみる。



ジローさ……ダメだわ、寝てる。お船を漕いでらっしゃる。


タイガは言うまでもなく、困る私をニヤつきながら眺めてるだけ。助けてなんかくれない。



残るは、あと一人。


そうだ、飛野さんだったら……!

ハイジを説得してくれる!コイツらより大人だし!

ハイジよりも権力持ってるはず!まだ飛野さんは常識人だしね!!



と思って期待の眼差しを向けてみたけれど、彼は必死に地図と睨めっこしていた。



ダメだこりゃ、と思った。




「もも、イイ女になるにはまず男を知らねえといけねーんだよ。お前は男っ気なさすぎんだ。つーことで、選べ」




選べって……。



イイ女?

私、なんでイイ女にならなきゃいけないの?



いや、なれるんならなりたいけどね?

「お、イイ女じゃ~ん」とか言われてみたいけどね!?


でもそんな自分がまったく想像できない。


そもそもイイ女って、どんな女?



美人?溢れ出る色気?気遣いできる女?



……何一つ備わってないな、私。



ジローさんも、“イイ女”が好きなのかな。



いや、そんなわけないか。

女嫌いなんだからイイ女でも通用しないよね。


そう……だよね?



ジローさん……どうやったら、女の子を好きになってくれるのかな。



私、どうしたら好きになってもらえるの……?



でもパッとしない女よりは、“イイ女”の方がいいよね?


……じゃあハイジの言うことに、従ったほうがいいのかな。



気づかないうちに、私はハイジに洗脳されかけていた。



デートの相手って、やっぱり──。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ