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何とか避ける方法を……。




「あ、あ、あの……今日ハイジとかケイジくんとか、タイガや飛野さんまで遅刻せずに来ててビックリしたんですけど!!な、何かあったんですか!?」




迫ってくるジローさんから少しでも時間を稼ぎたくて、私はキョドりながら必死で質問を投げた。



実際なんでだろうって気になってたことだし!

今聞いたっていいよね!!?




「知らねえ。そーいう気分だったんじゃねえの」




どうでもいいだろと言いたげな、返答。


こんなのじゃ、足止めにもなんない。



徐々に膨れ上がっていく、ジローさんの“早く舐めろ”オーラ。



わかってる、約束なんだし。

それでジローさん動いてくれたんだし。



でも、でもね。



私、男の子と手だってまともに繋いだことないんだよ?


まあハイジの件はなかったこととして。



それなのに、いきなり唇を舐めろだなんて。


しかも相手は目が眩んじゃうような、超絶美形。



ハードル高すぎです。



前はジローさんへの気持ちがよくわからなかったから、できないと思った。



だけど今は……好きだから。


好きだからこそ、できない。



緊張の度合いが違いすぎる。


ほんと、心臓発作起こしちゃうんじゃないかってくらい、私の心臓くんはフル活動しちゃってて息苦しいくらいだった。




「今さら、やめるなんてのはナシだからな」




うっ……!


なかなか行動に移そうとしない私に勘付いたのか、ジローさんが釘を刺してくる。


そういうとこは、察しがいいんだこの人。


他の場面でもそうだったらいいのに。




「や、やめませんよ!でももう少し待ってくださ──」


「ダメだ、待てねえ。そう言ってお前、先延ばしにする気だろ」




どこまでも勘が冴えている王様は、私の考えなんてお見通しのようで。



余裕なんてなくて、きっと顔もリンゴみたいに赤い私を、


泣き出しそうなくらい追い詰められてる私を、


知っているくせに、わかっているくせに──



いとも容易く、捕えてしまう。



惚れ惚れするほどに美しく艶のある笑みで、私の自由を奪ってしまう。




「俺がどれだけ我慢してると思ってんだよ。待たせんなよ、もう」




そんな俺様でワガママで、自分中心なセリフだって、彼の特権。


王様である彼だけが許される権限。



抗えない流れに、私は従うだけ。



一拍おいて、ジローさんはそっと私の頬を撫でた。



穏やかな瞳が、好きだと思った。


銀髪も、少し長めの前髪から覗く切れ長の目も、高い鼻筋も、形の良い唇も──


ジローさんを形づくる全てを、好きだと思った。



そうやって私を虜にしてしまったジローさんは、焦ることなく、私の様子をうかがいながら顔を寄せてくる。



私は静かに目を閉じた。


胸の高鳴りが、静かな世界に優しく響く。



そして──


唇に触れたのは、しっとりとした柔らかくて温かい感触。




重ねられたのは、好きになってしまった人の唇だった。





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