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「お前の奇行には付き合ってらんねーよ」



再び学校へと、私なんか気にもかけず先へ先へ歩いていくマリモ星人……もといハイジ。


あんただって散々フザけ倒してたじゃん。



ほんと意味わかんない。何のために私と学校行こうなんて思ったんだろ。



私、コイツに振り回されてばかりだ。



ハイジと出会ってジローさん達と関わるようになって、私の常識はことごとく彼らに破られている。

ほぼ毎日が波乱。



彼らの世界と私の世界とじゃ、まるっきり違うっていうのに。引きずり込まれる。



安らぐこともなく、あっという間に日が過ぎていく。


この先、どうなっちゃうの?


いつまで私……ジローさんのペットしてなくちゃいけないの?




いつか、彼らと離れる日がやってくる?




「ねぇ」




前を歩くハイジの背中に声をかけてみても、ヤツは振り返ってくれない。




「ねぇってば」




無視。




「イケメン王子ハイジ様!」




少し音量上げて呼んでみると、「お前声でけえんだよ」と恥ずかしそうにしながらやっとハイジは止まってくれた。


自分でそう私の連絡先に入れたくせに、何を恥らうことがあるんだ。




「あんた……私に何か隠してるでしょう」


「……何が」


「今日のハイジは変だから。いつも変だけど、今日は一段と変」


「いつも変とは何だ。俺はいつでもイケてるだろーが」




自分で言うな、自分で。




「おかしいもん。行動が唐突すぎるっていうか。今までこんな風に大っぴらに私に絡んでくることなんて、なかったじゃん。あんたと顔合わせて話すのなんて、あの大教室でくらいでしょう?」


「そうだったか?ももちゃんならいつでもウェルカムなんだけどな~」




わざとらしい。

シラを切るハイジの態度に私はますます怪しむしかなく、確信した。


絶対に何か思惑があるに違いないと。


身のまわりで変化があったとすれば……昨日の魁帝襲撃事件しか思い当たらない。




「……昨日、魁帝のヤツらが学校に来たからじゃないの?それでジローさんが出てきたから、どうにかなっちゃったの……?」




あの時、飛野さんが言っていた。



ジローさんが動くことで、沢山の人に影響を与える、被害を受けるって。



その真意は、私には何のことだかさっぱりだった。

けれど、ハイジが朝から私のところに来て一緒に学校行こうだなんて突飛もない行動に出るには、それくらいしか思いつかない。



あの後、私の知らないところで大変なことが起こっちゃってたりするんだろうか。


私が知らないだけで、途轍もない被害が出てたりするんだろうか。


被害っていったって、どんな被害かはわかんないけど。



ヤンキーだらけの魁帝高校。


たぶん将来的に、恐い職業に就いちゃう人も少なくないはず。というか、大半がソッチの世界にいっちゃうって聞いた。


強盗、窃盗、恐喝、暴行、万引き……そんなのは日常茶飯事で、もっとヤバいこともしてるって噂もある。


そんな魁帝高校との間に、ジローさんたち白鷹ファミリーの間には“ルール”があるらしく。



つまりは……ジローさんやタイガ、飛野さんや風切兄弟だって少なくとも魁帝と関わりがあるってこと、だよね?



あんなにも危なそうな人達と一体どんなルールを交わしたのか、そのルールによって何が生じているのか。


ヤンキー界は複雑すぎて、恐くてわからない。



こんなにアホなこと言ってしょーもないことやってるハイジや変人ジローさん、えっちなタイガ、たこやき星人なケイジくんや迷子を極めた飛野さんだって……ディープなヤンキー界の住人なんだろう。



一般庶民な私とは、縁のない世界の人達。



そんな人達と不幸にも知り合っちゃった私にも、ちょっとは教えてくれたっていいでしょ?


何もわからずにただ「お前は知らなくていいんだ」って放り出されるのも、一方的なのもイヤだった。


私なんかが知っちゃいけないことなのかもしれないけど……だとしても、もうその世界につま先だけでも踏み入っちゃったなら、気になるのは仕方ないでしょう?



そう、思ってるのに。




「神様が『今日ももちゃんと学校行ったらいいことあるよん~とびっきりの美女とアツイ一夜を過ごせるよ~ん』ってお告げくれたんだよ」




と、やっぱりハイジは本当のことを教えてくれなかった。





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