表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
53/120

10




大魔王の眼差しに金縛りにかけられ、ごくりと唾を飲み込んだ。



「お前……」



息をするのも苦しくなってきた。

その口から一体どんな罰を命じられるのか、生きた心地がしなかった。



私……何を言い渡されるんだろう……。





パターン1



『海に沈められるか山に埋められるか、どっちか選べ』



どうせなら川に流してやってください……。どんぶらこ~っと……。


そしたらおじーさんおばーさんが拾ってくれて、ぱかっと割ってくれますから……。



「まあ、おじーさん!『桃』の中から『もも』が!」



な、なーんちゃって~……。



……ダメだ、笑えない……。



その前にジローさんに、桃ごと叩き割られるのがオチ……。






パターン2



『目玉焼きはしょう油か、ソースか。どっちだこのヤロウ』




むしろ塩派です。








私は脳内で二通りの予想を終え、力尽きた。




大魔王ジローは、恐ろしく手強かった。





「お前、」





げっそりとやつれきった私に、ついにジローさんは判決を下すようだ。



もうどんなパターンでも、どんとこいだ。

煮るなり炒めるなり、好きにしてください……。





「お前は俺の犬なのかそれともトラの犬なのか、どっちなんだよ」


「……へ?」





ジローさんの目は、とっても真剣だった。





トンデモ質問をぶつけてきた彼の声が、何となく拗ねているように思えるのは……気のせい?



私はちょっと時間をもらって、考え込んでしまった。



犬……誰の犬……。

私は犬……なんで、犬になったんだろう……。



タイガの犬なわけがない。

それなら、残るは一人だけ。





「ジローさん、です……」





なんだかすんなりと、答えてしまっていた。



当たり前のように聞いてくるジローさんに、あっさり犬を肯定してしまった。





「だったらトラになついてんじゃねえよ、じゃれてんじゃねえよ」





低い声で恐い顔しても、言ってることは……ジローさんだった。



なんてことない、私に見せてくれるジローさんの“顔”だった。





「お前より俺の方がせくし~でサイコーなご主人様なんだから、当然だよな~」





拗ねちゃったジローさんを意地悪くタイガが煽るもんだから、その表情は変わらなくとも不機嫌オーラが濃くなったのが私には手に取るようにわかった。



ジローさんの目が……目が、怖すぎる……!!





「ち、違いますよジローさん!!私、タイガになんかなついてないしじゃれてないし、犬でもないし、えっちだからイヤだし、変態だしキンパツだし……」





誤解を解こうとテンパる私の横で、「お前夜道に気をつけろよ」とすごく意味深なタイガの発言が聞こえたけど、それより何より今はジローさんをなだめるのが先だ。






「タマ、おて」






半泣きの私に容赦なく、ジローさんは平然と命令してきた。




ええええ!!い、今ここでですかジローさん!!みんないるのに!?




あの時はまだ二人っきりだったからできたのに、ここは人が多すぎるし……むちゃくちゃ恥ずかしいんですけど……!!



しかもみんなの視線が、私に集中しちゃってるんですけど!!





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ