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女嫌い……信じらんない。めちゃくちゃカッコいいのに。



だからあんな反応だったの!?

それにしては手つないだだけで真っ赤になったり、ハグだけで鼻血出したり……女嫌いというだけでは過剰すぎる気が……。



ってか女が敵って、世界人口の半数を敵にまわしちゃってるよジローさん!!



「けどお前は、大丈夫だった。まさかタマに似てるからってのは予想外だったけどな。は~……嘘みてえだ……あのジローちゃんが女と……」



こっちも心外だよ!まさか不良キングのペットに似てたなんてね!!



「大げさだね」


「大げさじゃねえって!マジでどうするか悩んでたんだからよ~。シメシがつかねえだろ、俺らの頭が女嫌いだなんてよ。でもな、もも。お前のおかげで何とかなるかもしんねえ。ジローちゃんの女嫌いが、治るかもしれねえんだよ」



ハイジがそう言いながら、本当に嬉しそうに笑うから。



こんな笑顔もできるんだって、ちょっぴり見惚れちゃったじゃん。



……いや、ちょっと待って。私が白鷹先輩の女嫌いを治す!?どうやって!!



「無理だって!私じゃそんなのできっこないよ!タ、タマだし!」


「いーんだよタマで。ちょっとずつ慣れてくだろ」



バカあああああ!私はやだよ!なに、これからずっと不良と関わっていかなきゃならないの!?



そういうこと!?あんたが言ってた『私の人生を変える』って、そういうこと!?



っていうか、それは先輩の人生を変えるために私まで巻き込まれているだけでは……!!



わたしゃ地味キングなんだよ!!不良キングなんかと和解できないよ!!戦争になっちゃうよ!地味キングダムには、私しか住人いないけどね!!



「じゃあももちゃん。連絡先教えてくれる?」



にこーっと嘘くさい笑みで、スマホを差し出してくるハイジ。



「へ?ぜ、絶対いや!」



もう今日限りで、こいつらとはおさらばしたい。じゃないと私の人生変わるどころか、終わってしまう。


ここが最後の砦だ、死守するのよもも!!



「ふーん。また鬼ごっこしたいんだ?」



にこにこ顔は崩さずに発したヤツの脅迫に、私はいとも簡単に屈してしまった。


あの一大騒動がまた繰り返されるのかと想像したら、連絡先を教える以外の選択肢はなかった。



「スマホ貸せよ」


「、くっ……!!」



断腸の思いで言われた通りスマホを渡すと、何やら勝手にハイジは操作して、ポイと投げ返してきた。



「ちょっと!危ないでしょーが!!……ん?」



慌てて受け取り、画面に視線を落とす。


メッセージアプリの連絡先一覧に登録されていた、名前。




『私のご主人様☆超イケメン王子ハイジ様 (はあと)』





「ふざけんなあああああ!!!!」


「ばっか、声でけえっつってんだろが!!」





危うく壁にスマホを投げつけそうになったけど、ハイジに口と手を抑えられた。



「じゃ、そーいうことだから。俺が呼び出したら、来いよ?」



うぅっ、……こんな理不尽なことってある!?



「鬼!悪魔!!卑怯者っ!!!」


「ひでえこと言うなよももちゃん。仲良くしようぜ?先は長いんだしなぁ」



意地悪な笑みを貼りつけた、緑の悪魔。



なんで……なんで、こんなことに……。

たまたま屋上で告白した時にこいつがいて、たまたま私がキングのペットに似ていたからって……あんまりよ……。




悪魔と契約を交わした(かなり一方的にだけど)私には、抵抗する術なんてなかった。




せめて連絡先の『私のご主人様☆超イケメン王子ハイジ様 (はあと)』を『アルプスのグレグレ少年ハイジ』にしとこうと思った。




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