表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/120

2



現れたのは……サラサラの明るい茶色の髪に、丁寧にメイクされた華やかな顔の女子。

私からすれば、ちょっとスカート短すぎじゃない?なんて思ってしまうギャルな女の子。


私はこの子を知っている。


同じ学年の、本城咲妃(ほんじょうさき)


いつもやたら派手な集団の、真ん中にいる子だった。



「なん、で……本城さんがいるの?」



声が震える。鼓動が速くなる。さっきからズキズキ、胸が痛い。

ほんとは何となく、気づいてるのに。



「なんでって?花鳥さんが大輔を呼び出したって聞いたから、面白そうだな~ってついてきちゃった。そしたらやっぱ告ったしさ〜思ったとおりだよ」


「あんま笑うなよ、かわいそーじゃん」



大輔っていうのは田川く……いや、田川の名前。

もはや呼び捨てだお前は!


クスクス二人していやらしい笑いを零しながら、私を見ている。


滑稽だと思っているんだろう。バカだ、って。



「もう行こうぜ、咲妃」


「うん!じゃーね。もう人の彼氏に手出さないでよね。ま、あんたじゃ相手にされないだろうけど」


「何当たり前のこと言ってんだよ、興味もわかねーって」



なるほどね、田川と本城さん……付き合ってたんだ。

そんなことも私、知らなかったんだ。

なのに告白したりして……ほんとバカじゃん。


一人で勝手に盛り上がって、昨日なんか全然寝られなくて。


……惨めだなぁ、私。


ドアの向こうに消えていく二人の後ろ姿が、涙でぼやけていた。


失恋も失恋、大失恋だよ。

吹き抜けていく風が、私の真っ黒な髪を揺らす。

なんだか、虚しかった。


もう、帰ろう。小春も待ってるだろうし。

何て言おうかな……。




「やっべ、俺すげえもん見ちまったか」




とぼとぼ歩き出した私の足を、止めさせたのは──


突然頭の上から降ってきた、楽しそうな誰かの声。



数秒考え込んでしまったものの、私はそっちに顔を上げた。




「ずいぶんひでえフラれ方したな、おねーさん!どうだ今の気分は」




どうやら屋上にいたのは、三人だけではなかったらしい。



出っ張りの上から顔を覗かせて、ニヤニヤしているこの男。



髪の毛が……み、緑だ!!

初めて見た。緑色に髪染めてる人。

 

っていうか、いつからいたの!?



「ちょっと待ってろ」  



そう言うと、緑頭は出っ張りの上から飛び降りて、私の方へ近づいてきた。  


ダラしなく腰で穿かれたズボン。耳には沢山のピアス。はだけた胸元。


こんなにも制服を着崩せるのも、ある意味すごい。

 

そして無造作に立てられた、鮮やかな緑の髪。



顔は……意外にも整っていた。


キレイな二重の目も高い鼻筋も、涼しげな口元も。私にはないものだ。


紛れもなく、イケメンだった。  


それに身長もけっこう高くて、180はあるんじゃないかと思った。


派手な外見といい体格の良さといい、圧がすごい。




「の、覗いてたの?」


「あ?俺はおねーさん達が来る前から、ずっとここにいたっての」


「は、はぁ……」  




ということはですね、一部始終見られてたってことですよね!!?


人生最悪の日だ。くそっ、占い当たってないし!!  


もーやだ……。神様はどこまで意地悪なんだろう。

あんなふうにフラれて、そのうえ見知らぬ人にまで見られてたなんて!



「ま~、今どき珍しいわなぁ。髪は真っ黒、スカートも長えし。色気ゼロだしなぁ。顔は……さっきの野郎が言うほどブスじゃねえよ、気にすんな」



私の足先から頭のてっぺんまでじろじろ観察すると、「ぎゃはは!」と下品に笑う緑頭。 


すっごいムカつく。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ