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2章‐6

とても短いのですが、キリが良いのでここで区切ります。

『艦長、また報告会が待ってますね……』

「ああ。だが、ゲートを封鎖した功績は大きい。あとは残った帝国艦だが、救援が期待できない以上は投降せざるを得ないだろう」


 やや遅れて、暗黒の虚空に、はじめは一筋の小さな白い輝きが瞬いた。それは星の死に際のため息のように儚く、美しかった。だが、次の瞬間にはその静寂を切り裂くように、純白の閃光が周囲の空間を飲み込んでいく。


「衝撃波、来ます⋯⋯!」


 ワープアウトしてから爆発までの間に幾ばくかの猶予があったということは、残されたイザナミが健闘したということを意味していた。ここから観測することは叶わないが、イザナミは途中で落とされることもなく、最後まで自律攻撃モードで帝国艦隊と果敢に戦い続け、そして数多の帝国艦を巻き込んで散ったはずだ。


 爆発が生み出した閃光が消え去った後、再び深い暗黒が戻る。その暗黒の向こうで、帝国艦隊もまた同じ運命を共有しただろう。


 この宙域にいる帝国艦隊はこれで全てではない。だが、ゲートが封鎖されたことで、増援はおろか帰還すらままならない状況とあっては、残されたふねにできることはほとんど何もない。遠からず投降するか、あるいは一部は徹底抗戦を選ぶかもしれないが、しかしそれらへの対処は艦隊司令部なり、政治家なりに任せておけばいいだろう。


 静寂が再びブリッジを満たす。艦長は軽く息を吐き出し、静かに席を立った。


「さて、とにかく戻ろう。まだやるべきことが山ほどある」


 クルーの視線が、それぞれのコンソールへと戻る。もう彼らに見えるのは、目の前に広がる日常の任務ばかりだった。


 戦いは終わっても、すべてが終わったわけではない。結局、宇宙を動かしているのは華々しい勝利やドラマチックな犠牲ではなく、こうした地道な仕事の積み重ねなのだ。


 艦長は小さく微笑むと、そっと声に出さず呟いた。


 ──まあ、今日はゆっくり眠れそうだ。


 ブリッジの片隅で、アリスのAIコアが控えめに光を灯している。それを横目に艦長は扉へ向かった。彼らの日常は続いていく。大切なものを守った、その確かな手応えとともに。

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